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金曜日, 6月 2, 2023

世界初の技術で、駅はより安全で便利な場所へ ― ~点字ブロックとQRコードが示す、目的地への最短ルート~

日々多くの乗客が利用する東京の地下鉄。東京都全体をカバーするように張り巡らされた地下鉄網は、行きたいところへ最短で誘ってくれる。近年も駅の改装などで便利になる一方、駅の構造は複雑化。そのような中、視覚障がい者がより快適に駅を利用できるようにと、東京メトロとシステム開発を主業務とするプログレス・テクノロジーズ株式会社(以下:PT)がcrewwコラボでタッグを組み、駅をもっと便利に、そして安全にしていく世界初の画期的なプロジェクトに迫っていく。

――「Tokyo Metro ACCELERATOR 2016」の開催経緯について教えてください
中村:弊社の中期経営計画の中で「オープンイノベーションプログラムなどを通じたベンチャー企業等と外部連携を探る」ことが記載されました。その手段として、Crewwさんとのアクセラレータープログラムを始めました。私たちの部署『企業価値創造部』が、新規事業を考えていくことをミッションとした部署なので、そのメンバーが主となって実現した形です。

初めての試みだったので、とにかくCrewwさんにおんぶに抱っこといった形で協働しなければ実現しなかったなと。Crewwさんにはマスコミへのリリースの場も作っていただき、結果注目される取り組みとなって本当にありがたいと思っています。

――次は、PTさんの事業内容とエントリー経緯について教えてください
小西:主には、大手製造業向けのシステム設計開発の支援をしています。設計開発の技術者を派遣したり、解析ソフトの販売をしたり。システムの導入支援や、設計支援を全般的に行っている企業です。2005年に創業し、今年で13年。社員数は400名を超えました。

エントリーの経緯なのですが、弊社の社員がCrewwさんの方と知り合いで、アクセラレータープログラム(※アクセラレータープログラムとは、大手企業がスタートアップに対して協業・出資を目的としたプログラムを開催するもの)の開催の案内をいただいたんです。元々、弊社が視覚障がい者向けの装置類をトライアルで作っていたこともあって、メトロさんとのプログラムで何か組めるんじゃないかと思いエントリーしました。

――当初から視覚障がい者向けサービスの展開を模索していたのですか?
小西:当初からある程度絞り込んではいました。大きなビジョンとしては「東京を安全で優しい町にしていきましょう」ということを挙げていて。視覚障がい者がロンドン駅構内で誘導される動画などを見本に、当初から話をさせていただきました。

―― PTさんの事業としても視覚障がい者向けの製品は存在していた?
小西:プロトタイプは存在していました。当初メトロさんに提案したのは、当時国際標準を狙っていたシステム“BLEビーコン”というものを使えないかなという期待がありまして。まずは、メトロさんが持つ模擬駅で仮説実験を7回ぐらい行って、その後辰巳駅で実証をしています。実験を重ねる過程で、BLEビーコンは捨てて違う形になったのですが。

中村:模擬駅というのはホームを完全に再現した総合研修訓練センターという社内施設です。そこに点字ブロックなども引いてあるので、ずっと実証の場としていました。

――初期からメトロさんのリソースの模擬駅を利用して取り組まれていたんですね。取り組みは自体はスピーディーに進みましたか?
小西:模擬駅での仮説実験はスムーズにご準備いただいて、2016年の12月に「東京メトロアクセラレーター賞」を受賞後すぐに動き出しました。実験も仮説検証と実証実験の二つあって。二つの実験は少し違っていて。2017年3月から今年の3月末までの仮説実験は試行錯誤の連続で。自分の会社の人間を褒めるのはおかしいことかもしれませんが、隣に座っている櫻田が本当に優秀な技術者で、仮説実験の中でだんだん無駄なものを削いで使えるものにしていきました。元々の仕組みと骨組みは一緒なのですが、システム自体は結構変わりましたね。

――具体的にはどう変わったのでしょうか?
小西:最初はBLEビーコンという特殊な電波を発する機器を天井に張り付けて、対象者がその電波をスマートフォンで受信しながら目的地へ誘導するというものでした。しかし、今回の取り組みでは問題が出てきたんです。位置情報の認識精度が甘く、正確な位置の測定に課題がありました。なので空間上の任意の場所ではなく、点字ブロックを基に誘導する形に限定したらうまく使えると思ったのですが、それでもダメで。結局、大きな決断ではありましたが携帯のカメラを使ってQRコードを検出しながら誘導していく形に落ち着きました。まだ世界的にビーコンが普及しきれていない理由の一つかもしれませんね。

――ビーコンではうまくいかなかった原因は?
櫻田:ビーコンというのは測位をする時に電波強度が重要になるんですが、水であったり人体を通すと急激に電波が弱くなってしまうんですね。そもそも使用し続けるだけで測位に数メートル単位の誤差が出るようになってしまって、視覚障がいを持つ方が必要とする測位レベルには達していないという結論に。そこからQRコードを使用するシステムに転換していきました。

小西:QRコードへの転換は大きな決断ではありましたが、悪いことばかりではありませんでした。ビーコンを使用するよりもメンテナンスコストや導入コストが格段に下がりましたし、何よりもQRコードというシステムが分かりやすいですよね。ビーコンのまま進めていたら、システムが複雑だったり揃える機材が多かったりとサービス対象者への負担が大きくなっていたかもしれません。でも、切り替えが楽だったかといったらそうではなくて。1年近く社内の優秀な人材をビーコンのシステムを最適化することに費やしましたし、それを別のモノに切り替えるのは中々キツかったですけども。そういう意味ではやはり、大きな決断でしたね。

――システムを全く違うものに置き換えるのは、とても大きな決断ですね。その決断は東京メトロさんPTさんのどちらから?
中村:技術的な部分を期待して一緒に組ませていただいているので、正直そこはPTさんの技術や知見を信頼していました。「お二人(小西&櫻田)がそこまでいうなら!」と素直に受け入れて、そうとなれば再度実験する流れになりました。

小西:QRコードを使った(切り替え後)最初の実験に、メトロさん側の上層部の方々が来られて…「これ一回目の実験なんですけど」と思いながら(笑)。でも、やった瞬間「これいいじゃん」とビビッ来ていただけたみたいで。役員の方も「これだったらローコストで、予算低いローカル線でも導入できるね」とおっしゃっていただいて。コストメリットも理解していただけたことは良かったですね。

中村:櫻田さん緊張されてましたもんね(笑)。

小西:彼(技術者)は毎回胃が痛くなっていたと思います。僕ら(営業側)が勝手に約束して。できなかったら「何でできないんだ」って。大変だよね(笑)。

――QRコード採用後は、プロジェクトはよりスムーズに進みましたか?
小西:実は根本的な問題があったんです。ただ出口まで誘導するわけでなく、利用者が現在どこを向いているのかも盛り込む必要があったんです。例えば電車を降りてから最初のQR検出した際、その時点で自分が左右どちらに向かうべきなのかを伝えなければいけません。被験者の方々も、降りて左右が分からないと皆さん怖いとおっしゃっていて。コードから自分が向いている方向を示さなければいけないんですが、そこも技術メンバーが頑張って解決してくれた部分。難関なことは多々ありましたが、技術者が優秀でスムーズでした。

中村:現状、ホームドアがまだ設置されていない駅もあり、線路に転落する可能性があります。ホーム上では一歩も踏み外せないので、「とにかくホームから早く出たい」という声が多いんですよね。

小西:その「いかに(ホームから)早く出してあげるか」を実現するには、電車から降りた瞬間から左右どちらに進むのかを示さなければなりません。階段のそばには点字ブロックの文岐路が必ずあるので、それを探れば必ず外には出られる。ただ「どちらから出るべきなのか」というのが問題であって、もし逆に進んでしまったら戻らなければならない。視覚障がい者には電車を降りたら「左右どちらに行くのか」が重要なんです。外にいち早く誘導するのは、基本的な機能。QRコードをかざすとどちらがプラットホームの端なのか、さらにはホームドアの有無などをお伝えできるので看板の代わりになるということですね。ナビゲーションだけではなく、看板的な機能も持つことも大事なのかなと。

―― 次は実証実験について、お聞かせください。
中村:まずは辰巳駅で実証実験を行っています。メトロの施設で仮説検証している段階から参加していただいてる方々も含め、実証実験が始まってからは、すでに35名ほど実施済みで、今現在も実験を重ねている最中です。

小西:実験開始当時の筑波技術大学の学生がメインとなって協力してくれました。いろんな助言や実験への参加で、開発の中心にメンバーになってくれました。

――実証実験の反応はいかがでしたか?
小西:実際にシステムを使われた方々からは、「早く導入してほしい」という声を多くいただき評判は上々かと思います。メトロさんにはQRコードを貼ったりアンケートを集計したり、実際のシステムを使って被験者の方と一緒に実験に参加いただいているので、僕たちが勝手に言っているのではなく(笑)、良い反応をいただいていると思います。

工藤:実際にアンケートを見てみると、「知人に勧めますか」という設問にはほとんど「はい」「非常に勧めたい」と答えていただいています。やはり、点字だけを頼りに歩くよりは、情報量が違うということで良い反応だったのではないかと。
ホームからの転落事故を如何に防ぐかは長年社内でも検討してきました。ホームドアといったハード面だけでなく、ソフト面でも駅員などの目で駅構内の安全を守る「見守る目の強化」といった対策を進めています。ただ、新しい技術を導入しようというのは社内では出ないアイディアだったので、このプログラムで得たことは大きかったですね。

中村:ホームドアに関して言えば、今後拡大して全駅設置は会社の方針でもあります。しかしもちろん(全駅設置までには)タイムラグがありますし、ホームドアはあくまで転落防止などの安全を守るものなので、今回のシステムのようにソフト面でも強化していきたいと考えています。なかなかメトロ単独では思いつかないことですし、そもそも技術も持っていないので、このプログラムを実施した意義は大きかったですね。

―― 今回の実証実験ではいい結果が得られたようですね。実証実験に取り組んで良かったなと思う部分はありますか?
小西:視覚障がい者向けのサービス、といっても継続することは本当に難しいんです。世界中でいくつも同じような会社やサービスが出てきても、どれもが止まってしまっている。僕たちが継続できているのは、2年間一緒に取り組んで機会や場を提供していただいているメトロさんのおかげです。大学の研究でも多いことなのですが、大手企業さんと組んでもお金は出すけど「あとは勝手にやってくれ」「論文だけ出してくれ」という話をよく聞きます。でもそれって厳しいですよね。どこまで一緒にやっていただけるか、というのが重要なポイントだと思います。なにはともあれ、QRコードを使ったナビや看板機能というような仕組みって世界中どこにもないんですよ。今、僕たちとメトロさんでやっていることしかないので、仮説検証をせざるをえない。どう展開できるのか、どう使えばみんなにとって有用なものになるのか、運用も含めてゼロから考えなければならない泥臭い仕事なので、継続的にやらないと。僕らが良かったのは、メトロさんがこの2年間ずっと一緒にやってくれている、これはすごいことです。

中村:弊社の持っている施設を使って、最初の仮説検証から協働できたことは良かったなと。今までは自前主義というか、鉄道会社というのは自分たちで安全を作り上げてきた自負がありますが、それにプラスアルファの部分をこういうプログラムで補っていけるのはすごくいいことだと思っています。技術者の方々の熱意や知識の豊富さなど、尊敬するばかりで刺激されました。

――逆に、協業して苦労した点はありますか?
中村:『企業価値創造部』ができてプログラムを開始した2016年当時は、社内でも「アクセラレーター?」「オープンイノベーション? 何それ」という空気感だったのですが、今では「あー、アクセラね!」と理解も広まった。そもそも、プログラムをやることが決まっても連携する各部門の許可が下りないと模擬駅の利用などはできないので、目的がはっきりしている状態でオープンに進めていったことで理解してもらいやすくなったのかなと感じています。

――オープンイノベーションが社内でも周知されてきた結果、実現できた実証実験だったんですね。このプロジェクトの今後の展望を教えて下さい
中村:取り組みに関するリリースを出したこともあって、他社さんから見学依頼があったり、視覚障がい者のお客様からも「使ってみたい」と問い合わせがあったりと、普段アプローチできていない方々にも注目していただいていると実感しています。しかし、このシステムはメトロの駅だけが整備を完了したとしても意味がないと思っていて。乗り換え先のメトロ以外の路線や、目的地のビルや店までご案内できないと意味がないんです。私たちの取り組みだけでクローズにするのではなく、さらにオープンに広げていきたいという思いはあります。

小西:今回のシステムは、点字ブロックからの情報取得を前提にしています。全国の点字ブロックにQRコード貼って、そこに立つと情報がもらえる。迷ったらGPS機能が案内しているのですが全部がしっかりと機能するかどうかというのは分かっていない部分があって。特にインドアで迷った時はGPSが届かない場合があるので、駅の外だとしても点字ブロックさえ見つければ欲しい情報が取得できるようにはしていきたいですね。

―― 最後に、アクセラレータープログラムを検討する方々にメッセージをお願いします
小西:スタートアップ企業へのアドバイスとしては、会社が始まったばかりだからと言って、そこに甘えず徹底的に努力をすることをお伝えしたい。起業間もない会社というのは経験も少なければ若い方が主軸となることが多く、ビジネス自体の経験が少ないこともあると思うんです。仮に、どうしたらいいか分からないとしても、自分が会社なり新しいサービスを提案する以上は、プロ意識を持たなければならない。それが世の中で今までのものよりは良いものであるというのを担保できるように、最善の努力を尽くすべきだと思います。鼓舞するわけではないのですが、Crewwさんのような会社のおかげでアクセラレータープログラムのような機会は増えていると思うんです。でも、継続させるためには成果を産まなければならない。成果を生むために努力していますか?と。プロとして「スタートアップだし…」というようないい加減さを持っていてはいけないし、やる以上はプロとしてドキュメントからミーティングの仕切りからすべてにベストを尽くすべきだと思います。

中村:今のお話、背筋が伸びました。私から事業者向けに対しては、やっぱり「まずはやってみよう」と言いたいですね。恐らく、大きな会社であればあるほど“あるある”なことかもしれないですが、そもそもスタートアップの方々と接したことがないために偏見を持っている会社ってあると思うんです。ジーパンで打合せするんでしょ?みたいな(笑)。メトロ自身もそうでした。でもビジネスパートナーとして、まずは会ってみる。すぐにプログラム実施ではなくても、Crewwさんのイベントに来てみるなど、まずは一歩踏み出してみることが大事だと思います!

執筆
INNOVATIVE PORT編集部 
「INNOVATIVE PORT」はCreww株式会社が運営する、社会課題をテーマに、新規ビジネス創出を目指すスタートアップ、起業家、復業家、 企業をつなぐ挑戦者のためのオープンイノベーションメディアです。
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