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火曜日, 5月 26, 2020

スタートアップとのコラボは 人と人のつながりから始まる

日本を代表するスポーツ新聞の1つとして知られる「スポニチ」を発行する株式会社スポーツニッポン新聞社は、500万読者を抱える知名度の高さと、66年間のスポーツ・芸能報道で培われたプロモーション力を生かした新たな展開を見据え、積極的にスタートアップとのコラボレーションに取り組んでいる。同社新規営業開発室の内匠俊頌(たくみとしのぶ)さんに老舗スポーツ新聞社が考えるコラボのあり方を聞いた。

“紙”の先にある斬新なビジネスを求めて

―― 野球やサッカーなど、スポーツ好きの人々には「スポニチ」を知らない人はおそらくいないと思われるほどの著名なスポーツ新聞社ですが、スタートアップとのコラボレーションに取り組み始めた背景を教えてください

現在、スポーツニッポンでは「スポニチ」紙を172万部発行するだけでなく、月間1.7億ページビューのWebサイト「Sponichi Annex(スポニチアネックス)」の運営も行っています。このほか、野球やサッカー、陸上、ゴルフ、マラソンといったさまざまなスポーツ関連大会の主催や後援を行うことも事業の一つです。

一方、新聞業界全体がそうですが、この先は「紙」の新聞はニーズが減っていくとの認識が共有されています。弊社でも“紙”以外のビジネスをどう生み出すかとの危機感は常にあります。社内から新たなアイデアが生まれてくることもありますが、斬新さという点では若干弱く、66年以上にわたって主業としていた紙のビジネス志向から完全に脱却した考えを持つのは難しい点もあると感じました。

―― そこでcrewwコラボに参加されたわけですね

crewwのアドバイザーにスポーツニッポン新聞社のOBがいて、それをきっかけに一昨年(2014年)秋、中目黒のcrewwさんを訪ねたのが始まりです。

“ITベンチャー企業”と聞くと「クールでドライな人が多いのかな」と最初は構えていたのですが、まったくそんなことはなかったですね(笑)。伊地知天(いじちそらと)社長をはじめ、人間的に温かい人が多く、しかも「できないことはできない」と伝えてくれますし、細かなアドバイスもきっちりいただけたのは有難かったです。

―― crewwとの出会いから1年後、翌2015年にはcrewwコラボで募集を開始していますが、社内での障壁はなかったのですか

上司の担当役員はもともとグループの毎日新聞社で取材や編集現場の第一線にいましたので、新しいことに対する感度が高く、こうした取り組みには積極的でした。新規営業開発室のメンバーについても、私も含め皆かつてはスポーツ現場の取材記者です。

もう一つ、読売新聞社さんや朝日新聞社さん、日本テレビさんといった大手メディアが既に先導してコラボを行っていたことも、社内では「スポニチも挑戦しよう!」というモチベーションになりました。

新聞社というと堅いイメージを持たれるかもしれませんが、スポーツニッポンの場合はスポーツに関連する内容はもちろんですが、極端に言えばラーメン店のビジネスでコラボしてもいいと考えています。

また、スポニチの紙面を見ていただければわかるように、競馬や競輪、競艇などの記事もありますので、ギャンブルに関するビジネスでも問題はありません。スタートアップの方へのオリエンテーション時に、コラボに際し「NG項目はほぼ皆無」と説明すると、「おー」という驚きの声があがりました。

多くのスタートアップからのコラボ応募、13社と継続的に関係を保つ

―― そうした幅広い姿勢がスタートアップに伝わり、多くの応募を集めています

ありがたいことです。私を含め3人のメンバーで3週間かけてすべての提案を拝見し、やり取りをさせていただきました。1人あたり10数社を担当し、返信はその日のうちに必ず返すと心がけたのですが、日常の業務もありましたので、かなり大変でした。

―― 最終選考には4社が残りましたが、残念ながら選ばれなかったスタートアップには何が足りなかったのでしょうか

漠然とした提案ですと採択しづらい傾向があります。また、サービスを作る部分から始めるとなるとハードルが出てくるかもしれません。

今回のコラボでは、上記の4社を含め、計13社との方と継続的にお付き合いをさせていただこうと考えています。スタートアップの方は日々事業で目いっぱい頑張っておられるなか、弊社のために時間を割いていただき、感謝しています。

13社以外の方については、今回は会社として採択はできなかったけど、これを機に個人的に応援させていただきたいので「いつでもお会いしたい」と返事を差し上げました。その後、実際に2社の方から連絡をいただき、直接会って話ができたのは嬉しかったですね。今回のコラボを通じて、人と人のつながりがもっとも大事だと感じました。

「すぐに結果は出ない」を社内で理解してもらう

―― スタートアップとのコラボはこれからどのように進めていく予定ですか

昨年(2015年)11月中旬に役員プレゼンテーションが終わったばかりですので、まさに「これから」という段階。この先の取り組みが大事になってきます。役員や他の部署には「すぐに結果を出るものではないが、会社にとって重要なことなので応援してほしい」という点をしっかり説明して理解を得たいと思います。その一方で、自分のように現場で担当している立場としては「早期に結果を出せるようにスピード感を持って取り組む」ことを強く意識したいです。

―― これからコラボレーションに参加を考えているスタートアップや、オープンイノベーションを行おうとする大手企業の方にアドバイスをお願いできますでしょうか

アドバイスというほどではありませんが、私が感じたのは人と人のつながりがもっとも大事だということです。もし、スタートアップの方が、大企業側の担当者に誠意のない対応をされたり、相性が悪いと感じたりしたら、参加を取りやめるという選択肢もあるでしょう。

スタートアップの方のなかには、大手企業は敷居が高いと思っているかもかもしれませんが、そんなことはなく、自らの手で真剣に事業に取り組んでいるのですからぜひ自信を持ってご提案してきてください。

大手企業の方には、スタートアップの方には敬意をもって接すること、それを心掛けていればオープンイノベーションは決して難しくないと思います。

執筆
INNOVATIVE PORT編集部 
「INNOVATIVE PORT」はCreww株式会社が運営する、社会課題をテーマに、新規ビジネス創出を目指すスタートアップ、起業家、復業家、 企業をつなぐ挑戦者のためのオープンイノベーションメディアです。
PORT編集部https://port.creww.me/
PORT by Crewwは、Creww株式会社が運営する、社会課題をテーマに、新規ビジネス創出を目指すスタートアップ、起業家、復業家、 企業をつなぐ挑戦者のためのオープンイノベーションメディアです。

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コラボに挑むスタートアップに期待する「媚びない」姿勢

※この記事は、2016年2月8日、creww magagineにて公開された記事を転載しています。

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