12.8 C
Japan
木曜日, 3月 23, 2023

「起業戦士」には“セルフコントロール”が必要不可欠。

起業する上で必要不可欠な要素「仕事(案件)」、「時間」、「健康」、「環境」、「精神力」―組織を出てしまえば全てが自己責任(セルフコントロール)である。睡眠改善による健康増進を掲げ起業した株式会社O:代表の谷本潤哉氏は、働き方改革が推進される今「ワーク・ライフ・バランス」の伝道師となるべく、その挑戦を続けている。

株式会社O:(オー)  Founder/CEO 谷本潤哉氏

日本は1980年代初頭、世界最大の貿易黒字国となった。著しい経済成長期を迎えるとともに1985年のプラザ合意を機にバブル景気となった。ハードワークが当たり前、24時間戦えないヤツは必要ない――。「働き方改革」が推し進められている現代では考え難いが、80年代は馬車馬のように働く「企業戦士」の時代だった。「24時間戦えますか」、「5時から男」――多くの人は、かの有名なCMのフレーズを一度は耳にしたことがあるだろう。

2000年代に突入すると、「ワーク・ライフ・バランス」という言葉を耳にする機会が増えた。しかし、実際に全ての業種がバランスの取れた働き方を実践できているかというといまだに疑問符が残る。サラリーマンの多くは今なお、仕事に追われ忙しい日々を過ごしているのが現状だ。しかし、悲観することばかりではない。政府による「働き方改革」の推進によって「多様な働き方」が認められ始めた新しい時代の幕が上がり始めており、以前に比べて「起業」は珍しいことではなくなった。

「多様な働き方」に背中を押され、大手広告代理店からスタートアップに転身

起業する前は大手広告代理店においてコピーライターとして数々の案件を手掛けていたO:(オー)の谷本代表も「多様な働き方」に背中を押された一人である。彼は俗にいう「企業戦士」の時代のサラリーマンではなかったが、リーマンショックからの景気の持ち直しに世界中が奮起していた2011年に就職したこともあり、次々と舞い込んでくる仕事に追われる多忙な日々を送っていたという。大手広告代理店に勤務していただけあって数多くの有名企業の仕事を手掛けながら経験を積み重ねることができるサラリーマン生活に誇りと充実感を抱いていたのだが、立ち止まる暇さえない多忙を極める生活によって睡眠に悩みを抱えたことにより、“働きすぎ”というイエローカードを自身に突き付けた。

「ワーク・ライフ・バランス」の伝道師になりたい

そこで、睡眠不足の解消と日常から離れた場所で本格的にリフレッシュしようと、突拍子もなく一人無人島に出発した。そこで、約10日間の自然な眠りと朝の目覚めを体感し、驚くほどの爽快感に包まれた。この体験が「体内時計」に着目するきっかけとなり、「ワーク・ライフ・バランス」の伝道師となるべく、2016年に起業という道を選んだのだ。起業して変わったことはあるかと尋ねたところ、組織を離れたことで大きな自由を手に入れたことと睡眠の悩みからは解放されたと冗談交じりに笑った。しかし、組織を離れたことで以前勤務していた企業の偉大さを身に染みて感じている。体調を崩したからと言って誰も助けてくれませんからと付け加えた。

起業する上で必要不可欠な要素

起業する上で必要不可欠な要素「仕事(案件)」、「時間」、「健康」、「環境」、「精神力」など――。組織を出てしまえばこれらに関することは確かに全てが自己責任(セルフコントロール)である。睡眠改善を通じて健康増進を掲げる企業の代表らしく、睡眠もさることながら健康管理の一つとしてできるだけ野菜を取るように心掛けており、二日に一度はお手製の野菜ジュースを飲んでいるという。起業以来継続しているというこの習慣は、単なる健康管理ではなない彼自身のセルフコントロールであり、社会課題に立ち向かう起業家としての覚悟のあらわれなのだ。「ワーク・ライフ・バランス」の伝道師、「企業戦士」ならぬ「起業戦士」として谷本氏の挑戦に注目したい。
(2019年4月24日)

社名株式会社O:(オー)
設立2016年12月5日
所在地〒153-0063 目黒区目黒3-9-1目黒須田ビル101
代表者代表取締役 谷本潤哉(CEO)
事業概要体内時計に関する事業
URLhttps://o-inc.jp/company
Facebook コメント
PORT編集部https://port.creww.me/
PORT by Crewwは、Creww株式会社が運営する、社会課題をテーマに、新規ビジネス創出を目指すスタートアップ、起業家、復業家、 企業をつなぐ挑戦者のためのオープンイノベーションメディアです。
- Advertisment -
- Advertisment -

Featured

【SceneryScent × アネスト岩田】“香り噴霧器”で新たな価値と市場を生み出す

【Creww Growth活用協業事例インタビュー】日本の塗装機器や空気圧縮機の業界を95年以上リードし続けているアネスト岩田。“開発型企業”として国内外で1,200件を超える特許出願数を持ち、世界20カ国以上の拠点、35社のグループ会社を持つ企業だ。 同社は2020年に導入したアクセラレータープログラムで、香り空間演出・プロデュース事業を展開するスタートアップSceneryScent社(シーナリーセント)を採択し、わずか1年半で、人感センサー内蔵香り演出機器「Ambiscent(アンビセント)」のデモ機を開発。社外でのトライアルがスタートした。 具体的にどのような取り組みを重ねているのか。アネスト岩田の和泉孝明氏と、SceneryScent代表の郡香苗氏にお話を伺った。 #アネスト岩田 #SceneryScent #シーナリーセント #Ambiscent #アンビセント #スタートアップ #オープンイノベーション #活用協業事例インタビュー #CrewwGrowth #Creww #大挑戦時代をつくる

【熊平製作所 × MAMORIO】創業125年のトータルセキュリティ企業が、スタートアップ共創で未来の「安心・安全」を創る

【Creww Growth活用協業事例インタビュー】広島銀行とCrewwは、広島県下のイノベーションエコシステムの構築に向け、広島県内に新たな事業の創出を図ることを目的に「HIROSHIMA OPEN ACCELERATOR 2021(広島オープンアクセラレーター2021)」を共催しました。本記事では、プログラム参加企業である熊平製作所と、「なくすを、なくす」をミッションに、紛失防止デバイス「MAMORIO」を始めとした 様々な製品・サービスを提供するIoTスタートアップ「MAMORIO」との共創プロジェクトにフォーカス。株式会社熊平製作所 新規事業開発部 取締役部長 茶之原 氏に、プロジェクトの共創に至った背景や、スタートアップとの共創から実際に得た体感や変化について、お話を伺いました。 #広島銀行 #広島県 #イノベーション #広島オープンアクセラレーター2021 #熊平製作所 #MAMORIO #IoT #スタートアップ #共創 #新規事業 #協業事例インタビュー #CrewwGrowth #Creww #大挑戦時代をつくる

関東近郊2万坪の土地 × スタートアップで、今までにない斬新な “場” を作りたい|Gulliverが挑む!

【オープンイノベーションインタビュー】中古車売買でお馴染みの「Gulliver」を運営する株式会社IDOMが、2022年10月24日から「Gulliver アクセラレータープログラム2022」を実施。新しい購買体験の提供と、生活を彩るクルマの価値を創造する新しいコンセプト店舗の開発をテーマに、関東近郊に2万坪の土地を用意し、スタートアップの皆さんと一緒に新しい場づくりに取り組みたいという。具体的に、どのような構想を描いているのか。株式会社IDOMの経営戦略室チームリーダー、三樹教生氏に話を伺った。 #Gulliver #IDOM #スタートアップ #アクセラレータープログラム #CrewwGrowth #Creww #大挑戦時代をつくる

スタートアップ募集!【豊富な開発技術力 × デミング賞大賞の社内風土】モノづくりメーカーのOTICSに、今求めるパートナーを聞く

【オープンイノベーションインタビュー】高出力・低燃費・低エミッション化などの要求に対し、積極的な技術提案と高精度な品質で応えるOTICS(オティックス)の自動車部品は、多くの車種で採用されています。一方で、120以上の国と地域が目標に掲げる「2050年カーボンニュートラル」に向け「脱炭素化」の企業経営に取り組むOTICSは、初めてのアクセラレータープログラムを開催。豊富な開発経験と生産技術力を活かせる協業案、自然環境保全や社会・地域に貢献できるアイデア等をスタートアップから広く募集します。デミング賞大賞も受賞したOTICSの社風、アクセラレータープログラムの開催に至った背景や、募集ページだけでは伝わらない魅力、プログラムに関わる方々の想いを、株式会社オティックス 経営管理本部TQM経営戦略室 係長 奥村守氏に話を伺いました。 #OTICS #自動車 #カーボンニュートラル #アクセラレータープログラム #協業 #スタートアップ #デミング賞 #CrewwGrowth #Creww #大挑戦時代をつくる
Facebook コメント