Table of Contents
田路 圭輔氏 エアロネクスト 代表取締役CEO
オープンイノベーションが生んだドローン宅配システム「SkyHubTM(スカイハブ)」とは

ー今回の協業内容、ドローン宅配システム「SkyHubTM(スカイハブ)」について教えていただけますか?
田路:将来的にはドローン物流が普通になる世界が誕生すると思っているのですが、そんなドローン物流と陸上物流をインテグレーションする仕組みのことを."SkyHubTM(スカイハブ)"と呼んでいます。
ポイントは、既存の物流を大きく変えることなく実現することです。大きくオペレーションを変えたり、コストがかかったり、とんでもない投資が必要となるアプローチではなく、ドローン配送がスっと加わることで、利用者も、荷主も、物流会社も、みんなが快適になるという仕組みWe aim to
河合:物流はインフラコストが大きいので、そこを大きく変えるとなると、意思決定のハードルがかなり高くなります。なので、ドローン物流を既存物流の中にうまく組み込んでいく、という考え方からスタートしないと進まないんですよね。
※オープンイノベーションとは:自社の有する経営資源や技術に頼るだけでなく、社外と連携することにより、革新的なビジネスやサービスを共創していく仕組み
協業のきっかけは“リアル”

ー2社間のオープンイノベーションにより協業を進めている本事業のきっかけや背景について教えていただけますか。
河合:我々としてはラストワンマイルという社会課題領域のひとつとして、過疎地域における物流対応を考えています。その輸送手段として、ドローンの利活用を社会実装していくことが大切なポイントになってくるのですが、周りを見渡してみても、なかなか社会実装をご一緒できるパートナーがなくて探していたところ、すでに田路さんが小菅村の村長さんの合意を得てドローンの実証実験をスタートさせていたので、我々はそのプロジェクトに加えていただいたという流れです。
田路:実際、小菅村をみつけてきたのは我々なのですが、それは河合さんに導いてもらったところもあります。というのは、以前伺った河合さんの描く物流の未来図に、ドローンがしっかり位置付けられていたThe first is that it is a very good idea to use the same type of equipment as the second.
セイノーさんは実業の会社なので、協業案がリアルであることが大前提となってきます。だからこそ僕らは小菅村という実存する場所をみつけ、「この村でこういうことをやりたい」という具体的な話をすることで、昨年の9月に河合さんも「じゃあ検討してもいいかな」という形で話が進み始めたんです。
ー実際にリアルな場所を用意したことが、今回の協業につながった大きなポイントだったんですね。
田路:そうですね。小菅村がなかったら、「面白いけれど、もうちょっと具体的になったらね」と先延ばしになった可能性もあるかもしれません。小菅村があったおかげで、会話も具体的になったI think.
これまで日本で行われているドローン配送の実証実験の多くが、利用者1:荷物1の関係なんです。でも社会実装では、不特定多数の利用者と不特定多数の荷主の関係をつないでいくことが必要になります。
これまでの実験では「A地点からB地点まで、〇〇を運びます」といったことしかやっていなくて、見方によれば、「ドローンが飛んで良かったね」みたいな結果で終わっているんですよね。
でもユーザーって別にドローンが届けたかどうかなんて関係ないし、ドローンが安定して飛んだなんて誰も評価しないし、という思いがあり、僕はわりとそういう活動に懐疑的な人間だったんです。
河合さんにも、「正直、今の日本の実証実験は意味ないですよね」と立場をわきまえず言っていたら、「いや実は僕もそう思っているんですよ」という話になり、意気投合したんです。
ドローン物流の実証実験について

ー5月に行われた実証実験について教えてください。
田路:我々が考えている「SkyHubTM」を実現するための装置として、ドローンデポAnd,ドローンスタンドというものがあります。通常、利用者が何かを注文すると、EC事業者や倉庫事業者から荷物が出荷され、路線便など使いながら配送センターに届き、最終的に個人宅へ入るという流れになると思うのですが、その手前にドローンデポandドローンスタンドという装置を埋め込みます。

ドローンデポというのは、荷物の輸送方法をドローンに切り替えるハブなんです。ドローンに荷物を積み込む拠点みたいなイメージですね。将来的には個人宅まで運ぶようになるんですが、今はまだそういう段階ではないので、その手前に置き配用のドローンスタンドを用意して、荷物をそこに置いていく、というオペレーションになります。
ドローン物流がもたらす未来像

ー田路様がドローン物流で解決したい社会課題とエアロネクスト様のサービスについてお聞かせいただけますか?
田路:河合さんと会った時に、「いっしょに実現したい」と思ったのが、「無人化・無在庫」でした。「荷物が止まることなく、キレイにお客様まで届く仕組みをつくっていきたい」というのが、最初に河合さんが僕におっしゃったことで、それを実現するにはテクノロジーが重要で、そのテクノロジーの中にドローンが位置付けられていました。
ドローン物流のメリットは、とにかく届けるのが速いということです。しかも無人なので、24時間365日いつでも稼働できる。ですので、いちばん究極的な状態としては、「今、○○を運んでください」というコマンドに対して、一番速く正しく運べるオンデマンド物流というのが、最後に行き着くところかなと思っています。
もしドローンがいくらでも重い荷物を運べて、どんな距離も飛べるようになれば、荷主さんからお客さんまで、直接届けられる時代が来ると思うんです。それが究極形。ただ今は、荷物は5kg位までしか運べないし、距離も10km位しか飛べないという制約があります。でも「無人化・無在庫」を考える時、ドローンが果たす役割は時代に合わせてどんどん大きくなっていくと思います。その1歩を、今セイノーさんとスタートさせたという感じです。
田路:ドローンが複数飛ぶとなると、管制塔のようなものが必要となります。河合さんのチームと検証を始めてますが、コントロールセンターは、1箇所でいいと思っています。日本全国のドローンをすべて1箇所でコントロールし、ローカルオペレーションでやるのは、バッテリーの交換と荷物の積み込みだけ、といったゴールは、河合さんの頭の中にも僕の頭の中にもあります。
河合:ドローンがたくさんのものをどんどん運べるようになると、例えば車椅子の方でも、座ったまま管制しているだけで、場合によっては何百kgといった荷物を動かすことができるThe following is a list of the most important factors that will help you to make the most of your time in the future.
究極の「無人化・無在庫」が実現する世界では、ドライバーをはじめ、物流全体のあり方の概念がまったく変わってくるんだろうなと思いますね。
ードローン配送が実現すれば、災害時に孤立してしまった場所にも、物資を届けることができますね。
田路:そうなんです。実は小菅村も数年前に土砂崩れか積雪だったかで、孤立してしまったそうです。山の中なので1本道しかないし、もともと、村に入る大きな道は3本位しかなくて、そのうちの国道が止まったため、物流も止まったそうです。そのときはヘリコプターで運んだとおっしゃっていました。
孤立してしまってから、突然「ドローンで荷物を積んで飛ばすぞ」となっても、すぐには対応できません。でも日頃からオペレーションしていれば、有事のときもすぐに対応できるし、コントロールセンターで複数の地域を管制できるようにさえしておけば、すぐに飛び立てるという状況が生まれるのではないでしょうか。今全国的に防災意識はすごく高いので、さまざまな地域の皆さんに非常に興味を持っていただけている状況です。
協業にいたった経緯について

ーセイノー様とエアロネクスト様が協業に至った経緯について教えてください。
河合:初めて田路さんに会ったのは東京ステーションホテルの喫茶店で、「一緒にやろう」という話になり、もうそこから爆速状態ですよね(笑)。
田路:我々エアロネクストは、新しいドローンの構造をつくってきた技術の会社なんです。この技術は世界の標準技術になると信じていますし、素晴らしいものだと自負しているのですが、やはり実証しなくてはいけない。それで、その技術を一番活かせるのは物流領域だと思っていたので、かねてから物流業界の方々と、何らかの関係を持ちたいI thought it was a good idea.
ドローンは長い距離を飛ぶことはできないので、ラストワンマイルのソリューションかなと考えて、僕は早い時期からセイノーさんに注目していました。ここ数年、ラストワンマイル領域で面白い仕掛けをどんどん発表している会社だという印象があったんです。それで、たまたまある人に「それって、セイノーの河合さんっていう人が全部やっているんだよ」という話を聞いて、会いに行きました。
最初ぼくは技術オタク的な話ばかりしていたんですが、話しているうちに、先ほどのようなドローンの可能性を河合さんが理解されていると分かり、話が盛り上がって行ったという流れだったんです。
河合:それが4月のことだったと思うんですが、その2年位前に、オンラインで1回お話ししているんです。「ドローンのこんな技術を持っているんですが、何か活用できませんか?」ということを言われて、「5kg抱えて、10km位飛べることができるようになったら考えましょうか」という会話をした記憶があります。
田路:そうですね。だから当時は全然相手にされていなかった感じでした。その後、ベクトルワンの発表や、置き配の話とか、セイノーさんの活動がすごく面白いなと思っていたら、それがすべて河合さんが仕掛け人だったと知りました。
スピード業務提携が実現したポイントとは
ープロジェクト開始から3ヶ月で業務提携のリリースを出されたということで、すごくスピード感のある協業だと思うのですが、これだけ短い時間で業務提携にたどり着いたポイントは何だったのでしょうか?
河合:対面でのコミュニケーションですね。お互いに持っている機能をうまく掛け合わせたことと、大金を投じて新たに何かをつくるということはやっていないことが、スピード感に繋がったと思っています。
田路:僕の観点から見ると、2つポイントがあります。まず、ビジョンが明確。河合さんというリーダーのビジョンが明確で、それが僕のビジョンとすごく近かったため、ゴール設定がブレなかったこと。あとこれが大きいのですが、セイノーさんは統率された優れた組織で、やるとなった時のエネルギー量がすごいんです。なので方向性が決まれば、一気に進めることができました。
僕らベンチャーは、人もいないし、お金もないし、モノも1個しかない。そういう不自由極まりない存在なんですけれども、でもその1個が圧倒的に強いと、セイノーさんみたいなチームからちゃんと評価されて組んでもらえるという話だと思うんですよ。
何にもないからこそ、全面的に頼るしかない。駆け引きもないし、隠すものもないから、逆に河合さんのチームからしても、やりやすいと思うんです。
河合:セイノーのメンバーはエアロネクスト社の事務所にいる時間の方が長かったりしますし、小菅村へも毎週のように行って、まさにオープンイノベーションとして事業を共に創っています。
田路:「どっちがやる?」みたいな会話が起こらないです。何か話した瞬間に「これは俺がやるしかないよな」と自動的に決まっていくので、本当に素晴らしい組み合わせだったと思います。
異例の人員体制で挑む本気の新規事業

ー今回セイノー様は何人でチーム編成されたのでしょうか?
河合:3~4名ですね。プロジェクト化していないものは、本来は担当者一人で立ち上げるというのがうちの基本なんですけれど、今回は9月の段階でメンバー2~3人セットしてプロジェクト化して、「とにかくやるぞ」という感じになりました。そこからは、前だけ見て走るのは得意なので(笑)。
ーセイノーさんとしては、今回のチーム編成は異例なんですね。なぜそのようなご判断をされたのですか?
河合:ビジョンが明確で、やる場所も決まっているので、そういうリアルなものが見えると、「今すぐ作らなくちゃ」みたいな話になるんですよ。そうするとみんな、ブレーキのないトラックみたいな状況になって、わーっと行っちゃうんです。もう、押さえ聞かないですよ(笑)。その勢いがあったから、3ヶ月での業務提携が実現したんだと思います。
あとはコロナの影響でWEB会議が一般的になったり、写真撮影なども省くことになったので、業務提携にあまり時間がかからなかったことも大きいですね。
スタートアップとのオープンイノベーションを日常へ

ー今回のようにスタートアップさんから自然とお声をかけてもらえるような状況はどのようにしてつくられてきたのでしょうか。
河合:Crewwさんにお世話になり、2016年からオープンイノベーションに関して動き出しました。「とにかく行って話を聞く」ということをやっていたので、スタートアップと名のつくイベントやセミナーに、うちのメンバーがほとんど顔を出しているというのは大きいですね。
それからうちは現場があるので、「とりあえず見に来てください」とスタートアップさんに声かけして、大きなトラックやターミナルを見てもらうと、みんな「おー!」ってなって、ちょっと盛り上がるんですよ。それで、引き込む。そういう感じです(笑)。
今も多くの方と仲良くさせていただいているので、全然ビジネス上のつながりがないにもかかわらず、普通にメッセンジャーで、「物流のことで教えてください」みたいな質問が毎日のようにとんでくるんです。
ーコロナ禍で、対面からオンラインへと働き方が変わってきましたが、やはり実際に足を運んでDNAに触れてもらったり、対面でお仕事だけじゃないお話を交わすことが重要だったりするのでしょうか。
河合:そうですね。密だという話はありますが、やっぱりフィジカルに会ったり、やりとりすることも必要だなと。とにかくコミュニケーション量は非常に重要It is.
田路:河合さんの生活スタイルが、ベンチャーそのものなんですよ。今の時代不適切かもしれませんが、ベンチャーって、24時間365日ずっとオンなんですよね。
僕は休日も夜中も早朝もあまり関係なくチャットとかしまくるので、それってひとつ間違うと微妙な話だと思うんですが、河合さんはまったく同じなんです。いつでも連絡がつくし、思考が速くてすぐに返信をくれるから、すごく楽しいですよ。週末、アイディアが思いついたり、興味を感じたときに河合さんにチャットすると、すぐ返ってくる(笑)。
河合:そのスピード感が重要だと思っていて。メッセージして、2日も3日も返ってこなかったら、その間考えていたりするのかもしれないけれど、考えるってことはあまり興味ないってことだったりするじゃないですか。それってもう、進まないんですよね。
オープンイノベーションを推進する極意

ー一番最初にセイノーさんがこういったイノベーションに関わられたのは、Crewwのアクセラレーターだとお聞きしたのですが、そこからどのような経緯で、ここまで発展されてきたのでしょうか。
河合:2016年10月にCrewwに先導してもらってアクセラレータープログラムを開始し、2017年の4月位に実施しました。そこからオープンイノベーション推進室を動かして、3年計画で、スタートアップ領域にある一定のアクセスができるような状況を作っていこうと決めたんです。
100事業やって、何百億売り上げて、みたいな規模の目標を持って、事業をバーっと立ち上げていったのですが、買収や新規事業立ち上げ、出資などをやる中で、「お金の調達って難しいよね」となり、2019年にCVCをつくったという流れなんです。「やれることはとりあえず全部やっていこう」みたいな、そんなノリですね。
一応3年経過したこともあり、それなりの目標値もクリアしたので、私は去年の8月でいったん退いています。今は18人メンバーがいますから。おかげでこのドローンを使ったスマート物流のプロジェクトも、そこから人員をさっと引き抜けたのが良かったですね。
ーセイノーさんのオープンイノベーション推進室は社内でも期待されている部門だと思うのですが、会社としてはどのような期待感で人材やリソースを投資されていらっしゃるのでしょうか。
河合:創業家の3代目には圧倒的な危機感があるんです。なぜかと言うと、トラック物流業はインフラなので、そう簡単に伸びていかない。「社会に貢献する事業を」という話になったとき、新しい領域にいかないと我々は衰退してしまう。その圧倒的な危機感によって、オープンイノベーション推進室も、いまだに社長直轄です。間に担当取締役がいない状態なので、良いことも悪いことも、そのまま耳に入ってきます。
今後のビジョンについて

ー今後のビジョンを教えていただけますか。まずは本協業におけるビジョンや予定をお聞かせ願います。
田路:まず、3月末までに「SkyHubTM(スカイハブ)」のフローの検証を終えて、4月以降、ドローンを含めたインテグレーションに入っていくんですが、4月の16・19日辺りに、その一連の流れを一部の方に小菅村で披露したいと思っています。
5月末までに、もう少し完成度を上げて、視察していただける自治体さんなど広く一般の方に、「SkyHubTM」のオペレーションが実際動いているのを見ていただけるようになるかなと。
実は今回のプロジェクトには、既存物流をインテグレーションしていく共同配送と、ドローンにより新しく動かしていく新商流と、大きく2つの柱があるんですが、6月以降はそれらをどんどん推進していくイメージです。
小菅村は8集落あって、5月には1ルートが開設され、その後順に増やして全部で8ルート開設するんですが、それを12月末までにやりきる予定です。
セイノーさんのおかげで、多くの自治体さんから熱い視線を注がれている状態なので、おそらく9月以降は、次の都市に徐々にプレゼンテーションしていって、来期以降の仕組みが始まるという流れになると思います。で、来期になってくると、国内のさまざまなエリアでSkyHubTMパッケージが動き始めるのではないかと。
ー新商流について詳しく教えてください。
田路:例えば医薬品のデリバリー。コロナ禍でオンライン診療が加速しましたが、そうなると薬を運ぶ必要があって、そのときにドローンを利用する。これを新商流と呼んでいます。あとは河合さんがやっているネットスーパーや、コロナ禍で動き始めた出前館やUber Eatsなどのフードデリバリーも新商流です。こういった新しい商流をいっしょにつくっていくというのが、もう1本の大きなビジョンIt is.
河合:宅配便というのは国交相管轄なんですが、新商流は宅配便の中に数えられていないんです。薬を届けるとか、ネットスーパーの配送とか、フードデリバリーもまさしくそうなんですけれど、あれだけUber Eatsがあちこち走っているのに、宅配便として捉えられていないんです。こういうのは全部、新商流ですよね。これからまたいろいろ出てくると思うし、そこに対してやれることがすごくたくさんあるI believe that this is a good idea.
ー特に地方でのニーズが大きいのではないでしょうか?
河合:小菅村で子育てできない理由として、お子さんが診察、薬、救急などの医療にアクセスできないのが大きいと聞いて、けっこう衝撃的でした。
コロナ禍の流れで、診察の部分は多少遠隔でフォローできるようになるでしょう。そうなると今度は薬がすぐに届がないといけなくて、そこのアクセスが重要になってきます。
食にも自由にアクセスできるようになれば、都心に勤めている方が小菅に移住しても食べ物に困らなくなります。あそこで仕事をしたら、おおらかな企画が生まれますよ、きっと(笑)。
必要なモノが届くようになれば、住む場所の選択肢が広がりますよね。その際のライフラインとして、物流が今後一層重要になってくると思います。
ユニバーサルから地域特性に合った運び方へ
ーセイノーHDでは、今後どのようなビジョンを描いていらっしゃるのか教えてください。
河合:ぼくは当初からラストワンマイルという領域が主戦場であり、社会的に必要とされていると思っています。ただ以前はユニバーサルサービスを作って全国に提供するのが事業社のやるべきことだと思っていたのですが、これからは地域特性に合った物の運び方や送り方に変わってくるだろうと気づいたので、それをしっかりつくっていきたいと思っています。
それが、僕がいつも言うところの買い物弱者対策や貧困家庭対策につながると思いますし、その中にドローン物流も当然組み込んで、エリアもどんどん広げていくつもりです。そういう考え方で、2〜3年をめどにカタチづくっていきたいなと思っています。
「呼べば5分で届く世界」をつくりたい

ーエアロネクスト様の今後目指している未来像など改めて最後にお聞かせください。
田路:今回小菅村で実証しようとしていますが、我々は「呼べば5分で届く世界」を作りたいと思っています。何でも、「欲しい」と思ったら、5分で運んでくれる。それを僕はリアルタイム配送みたいなイメージで考えています。
かつてアマゾンが、Amazonプライムで、モノが確実に翌日届く世界をつくったときは衝撃だったと思うんですけれど、一回味わうと、それってもう戻れないじゃないですか。
なので、河合さんのチームといっしょに、何でも「呼べば5分で届く世界」をつくれたらいいなあと。そこに近づけるようなことを、技術もサービスも含めてしっかり磨いていくというのを1〜2年やって、セイノーさんがやりたいことを確実に社会実装していくためのひとつの力になれたら嬉しいと思っています。
