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この2つはスタートアップを支援するプログラムという共通点がありますが、明確な違いがあります。この記事では、アクセラレーターとインキュベーターの定義や違いについて詳しく紹介しましょう。
アクセラレーターの定義とは?

アクセラレーター(Accelerator)とは、直訳すると「加速するもの」という意味で、シード段階を過ぎたスタートアップ企業を支援する組織のことです。すでに設立した企業を成長させる目的を持ち、大企業や地方自治体がスタートアップに対し出資金やノウハウ、事業スペースなどを提供します。
短期でビジネスを成長させる支援プログラム
アクセラレーターは、数週間から数ヶ月の短期でビジネスを成長させるプログラムを実施。このプログラムでは毎年企業が募集をかけてスタートアップに出資、あるいは協業を行います。
プログラムの内容は出資やメンターなどの人脈紹介、助言、施設の提供のほか、協業のみを行う場合も少なくありません。
支援の目的や対象
アクセラレーターが支援をする目的は立ち上げた事業を短期間で成長させること。対象はシード段階が過ぎたスタートアップです。
ある程度軌道に乗ってきたビジネスを拡大させることが目的のため、投資によって利益を得るベンチャーキャピタルとは異なり、事業運営の自由度が高いのが特徴といえます。
アクセラレーターのメリット
アクセラレーターから支援を受けることは、スタートアップにとって事業を飛躍的に拡大させるチャンスです。それが大きなメリットであることはもちろんですが、スタートアップだけでなく支援する企業や自治体にもメリットがあります。
アクセラレーターは新しい技術や革新的なアイデアを持つ新進気鋭のスタートアップと協業することで、既存事業とは異なる新規事業が展開できます。事業開発のスピードアップを図ることもできるでしょう。旧態依然の社内からはなかなか起こせないイノベーションも、スタートアップとの共創なら可能です。
このようにアクセラレーターは、支援を受けるスタートアップだけでなく、支援する企業・自治体にもメリットがあるものといえるでしょう。
アクセラレータープログラム実施の流れ
アクセラレータープログラムを実施するにあたってはまず、プログラムの概要が発表され、説明会が開催されます。ビジネスプランの募集が行われますが、大企業などの人気プログラムは応募が殺到し、倍率が100倍を超える場合も少なくありません。
応募には書類選考と面接が行われ、参加できるスタートアップを決定。選考の後は実証試験が行われ、協業へと進めていきます。
アクセラレーターによる支援期間が終了した後にはプレゼンテーションで成果発表を実施。その内容によっては、さらに支援や協業が続けられる可能性もあるでしょう。
アクセラレーターとインキュベーターの定義の違い

アクセラレーターについて理解したあとは、インキュベーターとの違いについて紹介します。
インキュベーターは起業まもないスタートアップを支援
インキュベーター(Incubator)とは、起業まもないスタートアップを支援するものです。アクセラレーターがシード段階を過ぎたスタートアップを数週間〜数ヶ月の短期間で支援するのに対し、インキュベーターにはこのような期間の定めはありません。Incubatorとは「生まれたばかりの乳児を育てる保育器」という意味があり、まさしく生まれたての会社を長期的に育てることを目的にした支援だからです。
資金を援助するだけでなく、オフィスの提供や税務会計の指導、経営アドバイスの実施など、幅広いサポートが行われます。
支援目的や支援期間も異なる
アクセラレーターの支援目的はビジネスの成長です。しかし、インキュベーターでは「より良いサービスを作り出すためのイノベーション」を目的にしており、そのため支援期間も長期にわたって特に期限がない場合もあります。
支援企業の選定方法の違い
アクセラレーターは先ほども説明したように公募によって選考されるものです。しかし、インキュベーターの場合は交流のある企業などから選ばれることが多く、投資会社であるベンチャーキャピタルや大企業などが運営をしている場合もあります。
スタートアップに適した支援プログラムを活用しよう

アクセラレーターとインキュベーターの定義の違いについて見てきました。目的や支援期間、対象とするスタートアップが異なるなど、両者は異なるものです。
アクセラレーターによる支援はスタートアップだけでなく企業や自治体にも大きなメリットがあり、今後はその数も増えると予想されています。
起業から時間が経ち自社プロダクトや独自のアイデア、サービスを持つ会社の経営者にとってはアクセラレータープログラムを活用することが大きな飛躍のチャンスに。ビジネスプランの募集があれば、ぜひ応募してみてください。大企業と協業し、ビジネスを大きく成長させましょう。
