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企業成長や競争力アップの特効薬として期待される「オープンイノベーション」
消費者の要求が多様化したり、競合企業との競争は激化するなか、研究開発は急がれる傾向があります。しかし一方で、投入できるリソースや期間には限りがあります。そこで、これらのギャップを埋めるため、複数の企業が各々の優位性を生かしてネットワークを組み、Win – Winの関係でビジネスをする「オープンイノベーション」という発想が生まれました。
オープンイノベーションのネットワークは自律的なもの
何がオープンで、何がイノベーションなのでしょうか?
オープンイノベーションは、企業間コンソーシアムや、産学連携、企業の共同開発を通じて、事業が行われ、社会的なインパクトを生むことを指しており、単なる意見交換会やイベントとは、その性質が違います。
これまでも日本にも企業のネットワークはありました。自動車産業に見られる大企業を中心に部品を取り扱う中小企業が集まっている系列ネットワークです。それに対して、シリコンバレーから広がり、日本でも増えつつある「オープンイノベーション」は、「強いボス」を中心に集まるのではなく、自律的であり、なおかつ創業間もない企業も取り扱っているプロダクトやサービス次第で、企業規模の圧倒的に大きな会社とも対等にやりとりができるものです。系列会社でなくても、目的が一緒であれば、積極的に協業していくこと。この姿勢が「オープン」なのです。
オープンイノベーションが可能になった時代背景
オープンイノベーションができるようになった背景には、大きくふたつの要因があります。
ひとつは、デジタル技術の進歩。デジタル技術の進歩により、違う企業でもコミュニケーションが取りやすくなったのはもちろんですが、デジタル技術には様々な製品を結合させる働きがあります。例えば、車に、音楽やナビ、ETCなどの機能を搭載することができる。それだけではなく、走行履歴のデータを取って、安全性を高めるシステムを搭載することもできる。様々なコンテンツが入るので、多様な企業が協調することに価値が出てきます。
そしてウェブには、オープンソースや官公庁に眠っているデータをビジネスに活用するオープンデータといった取り組みがあるだけでなく、IT企業にはハッカソンという企業の垣根を超えた勉強会があるため、元々、オープンな文化がありました。 もう1つの要因はグローバリゼーションです。かつて世界経済は日米欧の先進国が形成していましたが、90年代以降、旧共産圏や中国などの新興国の影響が無視できなくなり、そこから安くて優秀な人材が数多く輩出されるようになりました。
自社のノウハウなどの流出や、協業した相手が競争相手になる懸念をしている間に、あっという間にプロダクトは古くなり、人材は流れていってしまうという状況が生まれるようになりました。
オープンイノベーションを支援するサービス
いざオープンイノベーションに取り組もう、となっても、それぞれの企業との出会い方や立ち位置の決め、そしてガイドラインが必要になり、誰がリードしていくのかという難しさがあります。新しく部署をつくり、相手を検証し、商流をつくり…ということでは間に合いません。
このコンソーシアム、つまりオープンイノベーションのきっかけづくりを果たす、スタートアップ支援サービスがオープンイノベーションのプラットフォーム「creww(クルー)」です。とりわけ増えている、大企業とスタートアップをオープンイノベーションの手法でつなぐ、アクセラレータープログラム。既存事業との兼ね合いや社風と市場のマッチング、そしてそれが本業ではないため、やり遂げるモチベーションが弱くなりがちな大企業と、あらゆるリソースが足りないものの、それが本流のビジネスであり、成功なくして生存なしという切迫感のあるスタートアップのコラボレーションを円滑に行うためのサポートをしています。