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Japan
Tuesday, November 28, 2023

Open Innovation in the with/after Corona Era: Business Creation to Overcome the Drastic Changes in the Era by Deciphering Changes in Consumer Buying Behavior and Values

新型コロナウィルスの影響により、人々の生活や職場環境含めた社会生活そのものがこれから大きく変化していくと予測されます。今後は新規事業創出のみならず、これまで企画してきた新規事業内容自体の修正、及び既存事業においてもwith/afterコロナの環境に適応したビジネスリストラクチャリングへの取り組みが急務となります。事業計画の見直しと新たな計画構築を行うにあたり、まずはドラスティックに変化した消費者の購買行動・価値観を正確に把握した上で、その後自前主義に頼らずオープンイノベーション手法を用いたスピーディーなビジネス創出とリストラクチャリングを実現していくことが、コロナ禍がもたらす今後のビジネス環境の変化を乗り越える有効な手段として考えられます。

コロナ禍がもたらした消費者変化について、GfK Japanのリサーチデータを一部共有しつつ、これからのデータドリブンかつスピーディーな事業開発の進め方について論じられた、オンラインセミナーの内容をお届けします。

コロナ禍のマイクロトレンドの変化とは?

Tomoyuki Mizuno
Director / Managing Director, Creww K.K.

日本の高校を卒業後、アメリカの大学へ進学。これまでに複数のIT系ベンチャー企業で営業や経営に携わった経験を活かし、2013年にスタートアップコミュニティーを運営するCreww株式会社に入社。2017年、同社取締役に就任し、オープンイノベーション事業やコワーキング事業や新規事業などの事業部門全体を統括する。また内閣府や総務省などの行政機関との連携も図っており、全国の自治体や大学での講演も多数行っている。

Mizuno:コロナの緊急事態宣言が発令されてから、みなさんそれぞれに生活や会社、社会の中でさまざまな変化があったと思います。ここでは「個人の変化"企業の変化"社会の変化」の3つの軸でお話いたします。

世の中のニーズは「感染防止」が非常に大きなテーマになっています。これに対して「オンライン」「テレプレゼンス」「オートメーション」「クラウド型サービス」などのキーテクノロジーを使うことによる、さまざまな領域でのソリューションを3つの変化に紐づけて考えていきたいと思います。

."個人の変化」では、買い物がEC中心となり、外食をせずにデリバリーが盛んになって、いたるところにUberEatsが走るようになりました。娯楽ではVRやゲームなどで、実際に対面接触のない選択を模索しながら楽しんでいる人が増えました。コミュニケーション面でもZoom飲み会など、オンラインでできる新しい選択が生まれ、広がりました。

."企業の変化」では、一番象徴的なものは通勤をしなくなったことです。多くの企業が「テレワーク」に切り替え、オフィスに通わずとも仕事をリモートで進めるという選択をしました。その中で、稟議決裁の取り方や捺印方法などがクラウドに切り替わったり、作業現場にIoTやロボティクスが導入されるなど、オフィス環境の変化が見られました。

."社会の変化」では、「教育」「医療」「決済」が大きく変化した点ではないでしょうか。ほとんどの教育機関がオフラインでの教育提供ができなくなったため、オンライン授業への切り替えを半強制的にやらざるを得なくなったり。医療においては、「少々熱があったり具合が悪くても、なるべく病院に行きたくない。」という個人の意識の変化や医療機関側からも「軽度であれば診察を控えてほしい」といったニーズが出てきたため、オンライン診療が急激に増えてきました。現金の取り扱いについても、かなりの割合でデジタル決済に移行したように感じます。

こういったマクロ環境の変化の中でも、活躍しているスタートアップはあります。一般的には知られている例では、BASEやクラウドワークスなどの上場しているスタートアップです。ECや業務のクラウド発注といった分野で事業展開をしているため、当然需要が伸びています。

上場している以外の活躍しているスタートアップ企業を3つご紹介します。
1つ目はオンライン診療を展開している「マイシン」です。マイシンは全国1600の医療機関と繋がっており、予約から診療、処方の配送までトータルにサポートしているスタートアップです。

2つ目は、映像解析プラットフォーム「SCORER」を運営しているフューチャースタンダードというスタートアップです。SCORERによる顔認識と赤外線のサーモグラフィーによる体温測定をすることで感染防止の新しいソリューションを提供しています。

3つ目は株式投資型クラウドファンディング事業を行っている「ファンディーノ".
投資家はスマホで簡単にエンジェル投資をする事ができます。コロナ禍において通常の資金調達や融資が厳しいシード、アーリ期のスタートアップにとっては新たな資金調達の手段としての需要が高まっております。

このような変化に対して、今後事業会社のビジネスもそれらに適用すべく新しい取り組みが求められていくのではないかと思っております。

コロナ禍における消費者の生活・購買行動や価値観の変化

三田村 忍
GfK Japan (ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン) Innovation 執行役員

2000年から15年間、日本で最初に検索エンジンを立ち上げビジネスを展開していたスタート アップに参画し、ボードメンバーの1人として、企業成長に尽力。国内新規事業開発や、海 外拠点の立上げから事業拡大を担当。 15年の節目に古巣を卒業し独立。スタートアップから上場企業まで、幅広く新規事業開発 プロジェクトをプロデュースしている最中、GfKジャパンの社長に出会い、その情熱に心を動か され事業に参画。マーケティング・リサーチのInnovationを推進。

Covid-19の影響下において、消費者の購買行動は「どう変化したのか」「今後どうなるのか」これをいち早く掴んだ企業がこの状況をチャンスに変えられるのだと、GfK Japan イノベーション執行役員である三田村 忍さんが調査データを元にお話しされました。詳しい調査データについては、セミナー動画とともにダウンロードが可能ですので、ぜひご活用ください。

※調査データ詳細は下記URLより視聴・ダウンロードいただけます。
 https://insights.gfk.com/ja/covid19_crwcp

."前例なき世界的閉鎖と将来についての不確実性"

三田村:世界はこれまで経験したことのない混乱の中にいますが、私たちが経験している出来事は、今後の消費者の価値観や行動様式を大きく変えるきっかけになるということは明らかです。日本を含め世界の経済状況は停滞していく見込みですがそのような厳しい環境の中でビジネスを拡大し、競合に勝ち抜くための次の一手を打っていくためには、迅速な意思決定をするための最新かつ信頼性の高い情報が不可欠となります。

「消費者意識の変化について」

三田村:まず初めにコロナウィルスへの理解として、メディアで伝えられている以上に深刻である、と受け止めている人が4月時点では80%でした。月日を追うごとに5%ほど減りましたが、それでも大半の方がより深刻に受け止めています。また、経済の見通しについては「1年後の日本の経済はどうなりますか」という問いに対しての回答として、4月より5月の回答のほうが数値は弱化低くなるものの、「悪くなる」と回答した人が64%となりました。さらに5年以上経済の低迷が続くと考えている人も5割以上いました。一方、個人の心配事では、自分自身の心配事よりも、国の経済や医療体制崩壊の可能性に関するものがトップにならんでおり、日本ならではの回答傾向が見られました。

※当日のプレゼン動画や資料はこちらからご確認できます。
https://insights.gfk.com/ja/covid19_crwcp

「消費者行動の変化について」

三田村:自粛期間中の時間の過ごし方では、屋外や友人親戚宅で過ごす時間が減っているのはもちろんのこと、仕事に費やす時間も減っています。これは日本の今の経済状況が色濃く影響していることが見られます。公表で全国2割くらいがテレワークを実施していると言われていますが、独自調査結果では、関東では6割が実施していることが見えてきており、このような地域別の特徴は踏まえておく必要があります。

「買い物」については5割を超える人たちが「買い物を楽しめなくなった」と回答しています。このトレンドは年齢があがるほど強くなっています。5月からは関東を中心としてコロナの中でも買い物を楽しむ人たちが増えてきていることが、データから見えてきています。出費についてはライフスタイルの変更なども起因し、増えた人が多くなっています。

「料理」については、4割の人が「料理時間が増えている」と回答していますが、ここ最近では料理疲れが見えてきて、料理時間も減ってきています。

「旅行」では収束後も海外旅行には控える傾向が見え、公共交通機関ではなく自家用車の利用傾向が高いです。都市や観光名所には行かない、という傾向が見えてきているので、今まで名所ではなかった場所の勝機が見えてくるかもしれません。

「余暇の時間におけるTV/ネットの利用動向」では、動画視聴が多く見られたことが特徴的でした。今までCMはどんどん読み飛ばされる対象でしたが、このような外出自粛の状況では、半数くらいの人が広告視聴しており、かつ楽しんで視聴しているというデータが出ており、非常に興味深かったです。外出自粛という状況下では、テレビやネットで広告が好まれて視聴するという結果から、今後取るべきコミュニケーションについて、今一度考えるきっかけになるのではないでしょうか。

企業に対する見方では、「この危機的状況下において企業がどう振る舞うかが、今後の企業を利用するかどうかに関する判断に影響を及ぼす」との回答が79%でした。このような状況を踏まえてチャンスに変えるような取り組みをしていただければと思います。


【GfK Japanよりお知らせ】

GfKでは日本を含む世界20ヵ国で、4月から継続的に消費者調査「コンシューマーパルス」を実施し、コロナ禍における消費者の意識、行動、価値観の変化をトラッキングしています。今回のWebinarではその分析データの一部のみご紹介しました。緊急事態宣言が終了した6月、7月も同様の調査を継続しており、自粛明けの消費者の意識・行動変化についても比較することができます。下記ページより詳細情報を提供しておりますので、ご興味ある方はアクセスください。

[本Webinarプレゼン動画]
https://insights.gfk.com/ja/covid19_crwcp
[イラストでみる、新型コロナウイルス感染症COVID-19による消費者の意識変化]
https://www.gfk.com/ja/insights/infographiccp?hsLang=ja

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