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後編では、スタートアップスタジオで活動する上でのメリットや、大変なこと、プロジェクトの状況や今後の予定をまとめております。
~広告で価値ある余剰食品を無料に~『Freeat』

サービス上で企業が広告出稿することで、広告を視聴した消費者が小売店などで発生する廃棄期限間近の商品を無料で得ることができるサービスで、食品ロス削減にも寄与します。
本プロジェクトでは店舗側の売上減・損失の課題も解決する3サイドプラットフォームの創出の実証実験を行います。
ファウンダーが語るスタートアップスタジオのメリット
ースタートアップスタジオに入ってよかった点はありますか?
古嶋氏:前回の話と重複しますが、新規事業開発が何も分からない人にとって、自分が今何をすべきで、それをクリアすると何の解決に繋がるか、といったプログラムが組まれているところが非常に良かったです。
プログラムの中で、ニーズ検証、MVP開発、実証実験といったフェーズに分かれており、そのフェーズごとにKPIがしっかり設定されているので、その目標達成にむかって全力でコミットできますし、非常に勉強になりました。
かつ、それぞれのフェーズで、事務局の方が人を紹介してくれたり、定期的なメンタリング、ピッチの場を設けてくださり、懇切丁寧なファシリテートは非常に心強いプログラムです。
スタートアップスタジオネガティブポイントとは?
ー逆にネガティブな点はありましたか?
古嶋氏:強いていえば、プロジェクトを推進していきながらも、本業がありますし、チームメンバー皆さんそれぞれ繁忙期等も違ってくるかと思います。特に今はコロナで直接会えず、完全オンラインで進めているので、その忙しさをうまく共有できず、個人的なタスク消化のせめぎあいや、スケジューリングの進捗管理の難しさはありました。
また、会社と違って何か壁に当たった時に直接相談できる上司みたいな人がいるわけではないので、(もちろん事務局の方がメンタリングはしてくれるのですが)そこの気持ちの浮き沈みは非常に激しかったですね(笑)
あとは、やっぱり時間の制約が結構あります。本業が終わった後に作業したり、週末事業開発のようなものなので、スケジュールは非常に逼迫します。忙しさは、×2って感じですし、自分が分からない事に対して挑戦するので本業の2.5倍…3倍くらいの忙しさです。そこは覚悟をもって取り組まないといけないところだと思います。
もちろん僕たちもまだゴールはしていないですけど、4月からプロジェクトをはじめて、この半年間はあっという間でしたし、気持ちが休まる瞬間は今のところないかなって感じです(笑)
ずっと気をはって、何かに追われている感じですが、一方で半年でこんなゼロイチの新規事業開発を体験できたこと、そこで学べる事は半端なく大きく、他では得られない経験になりました。
スタートアップスタジオの経験は本業に活かされるのか?
ー今回のスタートアップスタジオでの経験が、本業や他のところに活かされたりしましたか?
古嶋氏:僕の場合は、本業がエンタメに近いIT企業なのですが、新規事業担当ではないので課題検証みたいなことをしたことがありませんでした。
ただ新サービスをプロモーションなどする際に、ターゲットとして仮定する人たちが、どんな事を考えて、どんなものを今欲しくて、どんなものだったら刺さるのかといったターゲットの選定からニーズ分析までしっかり道筋をたてて考えるやり方は、スタートアップスタジオでの経験がすごく反映できていると感じています。
また、本業では上の人が作ったり考えたプロジェクトをどう具現化していくかと進める事が多いので、今回のような自分で起案してゼロから立ち上げる経験は、そもそも仕事の構造ややり方が全く違うので、その経験は大きく本業に還元できていると思います。
気になるFreeatの実績や現在の状況、今後の予定は?
ー今までのFreeatの実績や現在の状況、今後の予定を簡単に教えて下さいThe following is a list of the most common problems with the

古嶋氏:まず最初に取り組んだ事はユーザーインタビューとヒアリングです。Freeatの場合はステークホルダーが三者いまして、まず、ターゲットでありエンドユーザーの学生(大学生)、次に余剰食品が発生してしまう小売・飲食店。最後に、出稿費を出して頂く広告出稿企業です。
学生の場合は、コロナの影響でアルバイトが減ってしまい、経済的に逼迫している状態にあるのに、その一方で出費が非常に多かったりとお金に対する課題意識が強かったです。
飲食店も、食品ロスが発生しているお店があり、課題意識は持ちつつもどのように対応していけばいいか分からない店舗様が多かったり、広告企業様に関しては、今の広告に満足できていなかったり、大学生に対してもっとダイレクトにアプローチできる仕組みがあったらいいという要望を聞きました。
三者の声を、しっかりと形にしながらサービス設計をし、プロダクトに落とし込んで夏頃から開発を進めてきました。開発エンジニアに関しては、NoCodeCampというイベントでピッチをさせて頂き、bubbleというNoCodeサービスを使ったエンジニアのメンバーに途中から参画頂きました。
現在の状況ですが、学生や広告出稿企業に関してはある程度集まってきているのですが、飲食店の開拓が非常に難航しています。現在は本当に少しずつ(ですが着実に)、1店舗2店舗と開拓を進めている状態です。
飲食店の開拓に関しては、それぞれ店舗の方に直接依頼をしたり、あとは東京23区の自治体が食品ロス「食べきり協力店」(食品のお持ち帰りの許可や少量メニュー提供等)といった取り組みをしているので、自治体の方経由で飲食店の方にお話しをさせて頂いたりと色んな側面からアプローチをしています。
その準備が済み次第、1店舗から本格的な実証実験を回していくフェーズにあります。とにかく今は取引数の実績数を増やして、売却に向けて走っています。

ースタジオでの活動もラストスパートですが、古嶋さんの今後のプランを教えてください。
古嶋氏:売却というのは、プログラムの一つのゴールですので、そこに手を挙げて下さる企業様がいれば、是非前向きに取り組んでいきたいと思っています。ただ、個人的に「食品ロス」という社会課題解決に向け、どんな形であれ自分が関わっていきたいと思っていますので、ここで売却して終わりではなく、ゆくゆくは本業にしていきたいという気持ちはあります。
再度ゼロからやり直せるとしたら、何を一番大切にしたい?
ーまだプロジェクトの途中ではありますが、再度ゼロからやり直せるとしたら、何を一番大切にしたいですか?
古嶋氏:一番は、ユーザーの声ですかね。正直、当初はプログラムのKPIだったので、ユーザーヒアリングも何の為にやっているのか本質的な意味は分からずに聞いているみたいなところがありました。
ですが、そこでのユーザーヒアリングをプロダクトに落とし込んでいく内に、根底にある理由や「どうしてこうしたんだっけ?」となった時に、初期フェーズでのユーザーとの会話が今になって「そういえばあの人こう言っていたな…」とじわじわボディブローにように効いてきていると実感しています。ですので、ユーザーヒアリングに関してはもっと丁寧にやっていいなと改めて感じました。
ユーザーインタビューのセオリー的な記事にもよくありますが、「ユーザーが何を欲しているのか耳を傾けよ」これに尽きると思います。アイデアを起案した当初は、これでいける!と過信していた部分もありましたが、現在はユーザーやチームメンバーの声を取り入れ、どんどんブラッシュアップしていきながら、当初考えていた形とは変わっている部分も多くあります。本当にユーザーヒアリングをしないと、”自分よがりの誰も使わないサービスになる”って、このことだったんだな…と実感しています。

〜小売り・飲食店の方〜
実証実験に伴い、ご協力頂ける小売・飲食店様を現在絶賛募集中です!食品ロスがでて困っている、少しでも売り上げを回収したい!という飲食・小売店様は、ぜひお問い合わせください。
