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水曜日, 11月 30, 2022

Skypeに真っ向から挑む 「FaceHub」の可能性とは

FacePeer(フェイスピア、東京都港区)が展開する動画チャットのプラットフォーム「FaceHub(フェイスハブ)」は、「Skype(スカイプ)」のようにインストールもアカウント作成も行うことなく使える利便性の高さが自慢です。独自の技術開発により、ビジネス現場でも安心して使える品質を確保していることで、導入企業が広がりつつあります。インターネット大手の勤務を経て、2015年秋に起業した多田英彦社長に今後の展望を伺いました。
※この記事は、2016年6月9日、creww magagineにて公開された記事を転載しています。

Webブラウザだけで動画コミュニケーション

――多田社長はヤフー(Yahoo! JAPAN)を皮切りに、ディー・エヌ・エー(DeNA)や最近上場したオンライン英会話のレアジョブなど、多彩なインターネット事業者での勤務を経て、2015年7月に起業されています

ヤフーでは、当時「Yahoo!オークション」と呼ばれていた「ヤフオク!」の全面リニューアルを2年間かけて行いました。この頃は米国ヤフーのシステムをほぼそのまま使っていたのですが、それを日本独自のシステムに変更するという大掛かりなプロジェクトでした。

今につながるヤフオク!のシステムを作り上げたものの、その時なぜか「オークションの世界で巨大化しつつあるヤフーに対抗してみたい!」という思いが湧いてきまして、当時オークションサービス「ビッターズ」を展開していたDeNAへ転職しています。若かったんでしょうね。

レアジョブではシステム周りの責任者として2年半ほど勤務し、昨年の秋に機が熟したと判断して起業に踏み切りました。起業に際してはレアジョブさんから出資もいただき、応援してもらっています。

――動画チャットのプラットフォームとして開発した「FaceHub(フェイスハブ)」は、世界的な知名度を誇る「Skype」に真っ向から挑んでいますね

たとえばSkypeの場合、アプリのインストールや会員登録などを行わなければならず、知識がない方には壁があるのも事実です。この壁を壊すためにわれわれが開発したのが「FaceHub」です。Webブラウザさえあれば、Skypeのように対面でコミュニケーションが図れるのが特徴です。

――利用者はWebブラウザを立ち上げるだけで、動画でコミュニケーションが図れるということでしょうか?

はい、特別なソフトやアプリを新たにダウンロードする必要はありません。どんなパソコンやスマートフォンにも入っていますが、インターネットを閲覧するためのブラウザさえあれば、Skypeのように対面コミュニケーションができます。

――どのような技術を使っているのですか

WebRTC(Web Real-Time Communication)という技術です。Webリアルタイムコミュニケーションという名の通り、Web上でビデオや音声、チャットなどで対話ができるものです。

もともと米グーグルが開発した技術ですが、現在はオープンソースの標準規格として誰もが自由に使えるようになっています。米国ではWebRTCを使ったサービスが生まれつつあります。


Facehubを活用した双方向コミュニケーションのイメージ

――標準技術であるWebRTCを使い、御社が独自にビジネス向けのチャットプラットフォームとして開発したということですね

FaceHubがまさに“ハブ”として、通信する人の間に介在することにより、1対1の通話だけでなく「1対複数人」や「複数人対複数人」などの通信も可能としています。ビジネス現場でも便利に活用いただけるよう、ビデオの自動録画や会話内容の自動文書化といった機能も備えています。

また、利用者によって通信を行う環境が異なっても、最適な環境を確保できるようにもしています。たとえば、スマートフォン間の通信であれば、機種によっては処理能力に違いがありますし、利用者が契約している通信会社によっても異なってきます。特に最近は大手3キャリアだけでなく、格安スマホと呼ばれるさまざまな企業が出ていますので、各社ごとに通信環境に違いが見られます。そうした利用者間の違いをFaceHubが上手く吸収し、調整していくことで、利用者に最適な環境を提供できるようにしています。

――起業してからまだ時間が経っていませんが、FaceHubのサービスや技術を活用する企業は増えている印象があります

最近の動きでは、関西の通信事業者であるケイ・オプティコムさんと、クラウドソーシングサービス「シュフティ」を運営する株式会社うるるさんの3社で、兵庫県 城崎温泉にてFaceHubを活用した「クラウド通訳」の実証実験を行っています。城崎温泉の店舗などに来られた外国人観光客の方の通訳を、クラウドソーシングを使ってリアルタイムに行う取り組みです。

このほか、バランスセブンさんが運営するスマホ完結型ダイエットサービス「B.B.7(ビー・ビー・セブン)」でも活用いただいています。

また、crewwのコラボレーションを通じ、オートバックスセブンさんとも取り組みを進めているところです。

――crewwでは大手企業とのオープンイノベーションに応募し、既に採択されるなど積極的に活動いただいています

crewwコラボを実施する大手企業の方々はとにかく“熱量”が高いので、ファーストコンタクトがしやすいので本当に有難いです。コンタクトにかける時間を大幅に短縮できています。

通常、大手企業の方は、新しいことに対して「できない理由」から考えられてしまう傾向があり、そうなるとなかなか話が進みづらくなります。

――crewwでの活動やご自身の経験を通し、コラボを成功に導くためのアドバイスをお願いいたします

提案する前に相手企業の課題を必ず調べ、そこに向けた提案をすることが大事ではないでしょうか。大手企業の場合は、インターネットで調べるだけでもある程度、知ることができるはずです。また、担当者の方が上長に説明しやすいように、難しい言葉を使わないことも大事です。担当者の方は理解していても、上長の方が分かるとは限りません。

crewwでは、最初は大手企業の方と文章が中心のコミュニケーションが中心となりますが、文章でのやり取りが苦手な方もいます。やはり実際に顔を合わせて、対面でコミュニケーションをとることも重要だと思います。

―― ありがとうございました。

執筆
INNOVATIVE PORT編集部 
「INNOVATIVE PORT」はCreww株式会社が運営する、社会課題をテーマに、新規ビジネス創出を目指すスタートアップ、起業家、復業家、 企業をつなぐ挑戦者のためのオープンイノベーションメディアです。
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