
愛媛県のオープンイノベーション拠点

愛媛県にはいくつかのオープンイノベーション拠点が存在します。ここでは「愛媛大学紙産業イノベーションセンター」「花王サニタリープロダクツ愛媛」「テックアイエス」の3拠点について紹介します。
1.愛媛大学紙産業イノベーションセンター
最初に紹介するのが愛媛大学紙産業イノベーションセンターです。紙産業の発展のための研究と教育、地域活性化を目的として開設されました。
紙質特性を評価する装置や精密分析機器などの紙研究を行うためのあらゆる環境が整備されています。
2.花王サニタリープロダクツ愛媛
次に紹介するオープンイノベーションの拠点が「花王サニタリープロダクツ愛媛」です。花王株式会社と京都大学が共同研究する「使用済紙おむつの炭素化リサイクル」に関する仕組みの構築を目指しています。
実証実験は愛媛県西条市で行われており、花王株式会社とオープンイノベーション機構の協力によって開発が進められています。
3.テックアイエス
最後は株式会社テックアイエスによって2021年1月に開設された「テックアイエス」です。愛媛県内の優秀な人材が活躍するための環境整備と起業家同士の交流を目的としています。
施設は大きく3スペースに分かれています。リラックスして打ち合わせできるオープンスペースとドリンクを飲みながら作業できる自主スペース、誰の目も気にすることなくテレワークできるオンラインルームです。
株式会社テックアイエスは主にプログラミングスクールを展開しており「どこにいても、生まれても、世界最高の教育を受けられる」を軸にしてサービス提供を行っている会社です。日本全国とインド、アメリカにサービスを拡大していますが、最初の店舗は愛媛に設立しています。
地方銀行が支援するオープンイノベーション
愛媛銀行が主催するアクセラレータープログラム
地方銀行がハブとなって、地域企業とスタートアップの共創によるイノベーション創出を支援する取り組みが各地で行われています。ここ愛媛県においても、愛媛銀行が地元優良企業の経営資源をベースに、全国のスタートアップ企業のアイデアや技術を融合し新規事業を創出する「オープンイノベーションプログラム」を2019年より開催しており、愛媛県内経済の活性化を目指しています。
愛媛県の新規事業を応援するVC・ファンド

愛媛県には経営支援を行う「いよぎんキャピタル」をはじめ、新規事業のためのVC・ファンドが豊富に存在します。
ここでは、「えひめ地域活性化ファンド」と「四国アライアンスキャピタル」「いよぎんキャピタル」「オプティマ・ベンチャーズ」の代表的な4つのVCとファンドについてみていきましょう。
新規事業を支援「えひめ地域活性化ファンド」
えひめ地域活性化ファンドは新規事業の支援目的で設立されたファンドで、地域金融機関とゆうちょ銀行が連携するファンド設立は、四国地方で初の取り組みです。その投資対象は愛媛県内の創業・第二創業者と成長性が見込まれる未上場の企業となっており、地域経済の活性化を目指しています。
4行が連携「四国アライアンスキャピタル」
「四国銀行」「伊予銀行」「阿波銀行」「百十四銀行」の4行が連携し設立したのが四国アライアンスキャピタルです。県内企業の再生と成長支援、事業承継の3つを柱に運営を行っています。
運営ファンドは「しこく創生ファンド」「しこくエネルギーファンド」「しこく中小企業支援ファンド」の3つです。近年では事業継承の案件で実績を伸ばしており、事業継承を検討する経営者や企業からの注目を集めています。
経営支援も行う「いよぎんキャピタル」
いよぎんグループとして経営支援を行うのがいよぎんキャピタルです。また経営支援だけでなく、大学や自治体のパートシップも図っています。
ベンチャーや大学発ベンチャー、農林水産業などが主な投資対象で、幅広く対応しているのが特徴です。また投資エリアも愛媛県内だけでなく、四国地方や中国地方、瀬戸内地域といったように幅広く対応している点も魅力といえます。
共創が目的「オプティマ・ベンチャーズ」
最後に紹介するのが共創を目的とするオプティマ・ベンチャーズです。フューチャーベンチャーキャピタルでの勤務経験もある宮川氏が設立したコンサルティングを兼ねた投資会社となっています。
愛媛県のオープンイノベーションから学ぼう

愛媛県のオープンイノベーションの取り組みとVC・ファンドについて紹介しました。愛媛県では企業のマッチングというよりは、愛媛大学紙産業イノベーションセンターや花王サニタリープロダクツ愛媛といったように研究開発を軸にした取り組みが多いのが特徴です。
またVC・ファンドも「えひめ地域活性化ファンド」や「いよぎんキャピタル」などのように地元銀行が主体となっています。地域一丸となって取り組みを行いたい場合は多くの地元銀行も支援体制を構築している愛媛県のオープンイノベーションから学ぶとよいでしょう。
