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火曜日, 1月 26, 2021

自動車業界の大変革期にオープンイノベーションで挑戦するアビスト

「モータリゼーション2.0」と言われる100年に一度の自動車業界のイノベーション大変革期を迎える現在。デザイン性の高い自動車部品の「ボデー」「ランプ」「内装」をメインに、AIや3D-CAD、ハイブリッド関連部品や電装関連部品における技術力に優れる株式会社アビストでは、モータリゼーション2.0に挑戦すべく、2020年の10月に総合技術開発部という新たな価値創造を専門とする部署が立ち上がった。今回は本部署の責任者であるアビスト 総合企画本部総合技術開発部 執行役員の金井 孝宣氏にお話を伺った。

「自動車業界の大変革期」に必要となる企業に

ーまずはアビスト様の事業の特徴、そしてビジョンミッションについて教えてください。

金井:アビストは自動車業界に特化した機械設計やシステム開発を行ってる会社です。トヨタグループはじめ各種自動車メーカーとの取引、自動車のランプメーカーとの取引が非常に強く、売上の比率としてもここが大きいのが特徴です。「自動車業界の大変革期」というキーワードで、自動運転や電動化などが叫ばれていますが、このような要求スキルの変化に対し、必要とされる会社を目指していきたいというのが直近のビジョンです。

私が所属する総合技術開発部は10月に新設された部署なんですが、事業部と呼ばれる設計開発を行っている部門を横串機能で全社に付加価値を追加して、時代の変化についていくところを目指している部署です。私を含め今5名で対応しており、元々名古屋や東京など各拠点の事業部長や部長だったメンバーが中心です。

今まで新しいことをやるのに色々兼務という体制をとっていましたが、今回は兼務を外して、新しいことをやることに集中して対応してます。過去にはなかった本気度で臨んでいます。

自動車関連技術に加えAIやAR技術の経営リソースが魅力

ーオープンイノベーションを進めていく中で、スタートアップを始め協業先に対して御社の経営リソースを解放していくと思うのですが、アビストさんの「強み」について聞かせてください。

金井:コア領域である自動車関連の技術が強みです。自動車部品は約2万点ほどで構成されております。その中でも自動車の外側の板金部分、ボデー部分や車の内装、自動車のランプ関連の技術が強みとなっています。その他にも電気自動車のEV関連やコンピューターでモノを作る前に解析する技術である自動車の解析技術もコア領域として考えています。また最近は新規事業としてAIやARなどの仮想現実関連の技術や3Dプリンターの造形サービスを始めているところも強みです。こういった部分がスタートアップさんに提供できるリソースとして魅力となってくるのではないかと考えております。

目まぐるしいスピードで変化する自動車テクノロジー領域で、アビストができること

3Dプリンター

ーオープンイノベーションを推進していこうと会社で決めた背景はどのようなものなのでしょうか?

金井:「お客様のニーズや時代の変化に応えていかねばならない。」ということを非常に強く感じていました。時代変化の速度が早く、車ひとつとっても機械設計という分野で技術を持っていれば対応できたものが、電気電子の分野のスキルを持った人も必要になってきたり、機械を設計する人からソフトウェア部分だけでなく、いろんな分野の技術がどんどん必要になっています。

自社だけで目まぐるしく進化するテクノロジーやお客様のニーズについていくことは、スピード感としてなかなか厳しいという課題を感じていました。そのため、自社でやる部分とオープンイノベーションによりスタートアップとの協業で進める部分を棲み分けし、やれることを増やしていければと思っています。

このまま会社が変化しないと時代のスピードについていけなくなるのではないか、と言う危機感は2.3年前からありました。社内で色々検討をしている中で今年の10月に立ち上がったのが先ほどもお話ししました総合技術開発部になります。

当然自分たちでも新規事業の開拓をやりつつ、一方でオープンイノベーションによって新規事業のタネをつくって行こうと考えていたところに、取引先金融機関である三井住友銀行さんにCrewwのオープンイノベーションのプログラムについて紹介いただいたんです。

もちろんその前からも、オープンイノベーションというキーワードは過去に何度も検討材料の一つとして話題に出ていたのですが、専属でやる人材、部署をなかなか作れていなかったんです。今回、私の部署が新規事業の開発、新しい価値とつくっていく場所として新設されたことをきっかけに、このタイミングでチャレンジしてみようという話になって、今回のオープンイノベーションプログラム、アクセラレータープログラムを開催することとなりました。

気になる「アビストアクセラレータープログラム」のテーマとは

https://growth.creww.me/abf05008-2944-11eb-bbc5-191dfb866496.html

ー今回、どういったところをテーマとしているのでしょうか?

金井:テーマは二つあります。1つ目は「人の能力を拡張したい」と言うものです。AI担当が「人の能力を拡張したい」という考えを持っていたことが発端です。
AI技術、AR技術、3Dプリンター技術や、メイン事業でもある三次元CADの技術とスタートアップの持つ先進技術を掛け合わせ、今までなかったことを実現したいという想いがあります。

2つ目のテーマは、「世の中にまだ無い製品やサービスの開発支援をしたい」と言うものです。スタートアップの素晴らしいアイデアや製品企画において、足りないリソースをアビストで支援することです。

スタートアップに提供するアビストの経営リソース

ー今回、スタートアップと協業を進めていくにあたってご提供されるリソースについてお聞かせください。

金井:リソースとしては5つあります。
1つ目は「人的リソース」。三次元CADの技術者をはじめ、AI技術者、AR技術者やプログラマー・システムエンジニアなどです。
2つ目は「施設整備」。各種3Dプリンターの設備をはじめ、ハイエンド三次元CADライセンス、熱流体・樹脂流動・強度・光学などの解析ソフトです。
3つ目は「資金」
4つ目は、大手自動車メーカーや部品メーカー、Slerなどの「法人顧客基盤」です。
5つ目は、AI技術、AR技術、異常検知技術、機械設計技術、システム開発技術などの「技術・ノウハウ」です。

▶︎募集期間:2020年11月30日(月)~12月14日(月)
▶︎エントリー方法:下記URL(Crewwホームページ内の専用WEBサイト)より、協業案をご提案ください。
URL:https://growth.creww.me/abf05008-2944-11eb-bbc5-191dfb866496.html
▶︎対象企業:国内外すべてのスタートアップ。業種不問。
▶︎主催:株式会社アビスト
▶︎目的:デジタル技術を用いた新たな商品やサービスをスタートアップ企業の皆様と共創し世の中に提供したい

オープンノベーションをアビストの文化に

ーオープンイノベーションを今回推進する上で大事にしたいと思っている点についてお聞かせください。

金井:大事にしたいのは「スタートアップとアビストが同じ方向を向いてるか」という点と、お互いに「協業して良かったな」となることが大切だと思っているので、両者にとって協業して良かったと思えるプログラムにしたいと思ってます。
AI領域の新規事業ではスタートアップとの協業をやっていますが、本業の方ではなかなか外部との協業ができていないという事実もあるので、オープンイノベーションプログラムを複数年回すことで、それをアビストの新しい文化にしていきたいと思っています。

また新規事業に限らず本業では、人材育成の面でもスタートアップと何か面白い協業でができることを期待しています。コロナ禍で、新卒教育や中途社員の教育が対面でするよりもwebですることが増えてきているので、オンラインでの社員教育の効果的な手法や効率化などを生み出していきたいです。

自分達だけではできないようなことをスタートアップと一緒に創っていきたいです。

オープンイノベーションの醍醐味とは?

ースタートアップと協業することによって期待することは何でしょうか?

金井:今まで一度も本業の技術を外部の企業さんとコラボして何か協業しようというチャレンジをしていなかったので、アビストの今持っている既存技術を外部の方が見ることで、「どういう風なテクノロジーを追加したらこんなビジネスできますよ」って言うような、全く違った角度の意見をもらえることを期待しています。また、自分たちでは想像できないような違った角度のお話が聞けたら面白いですね。

「こういうことやりたい」と明確に全部決まっていれば、「こういうテクノロジー持った企業さんを紹介して下さい」とどこかに頼めば済みます。そうではなく、「アビストはこういうリソースを提供するので、何か一緒にやりませんか」という形で進められるのがオープンイノベーションの醍醐味だと思っています。

アビストが求めるスタートアップの領域とは?

ー今回どういうスタートアップに応募してきてほしいですか?

金井:テクノロジー系で特に空間や画像、3次元と言ったキーワードのスタートアップさんとは協業しやすいと思っています。また、人材育成や教育と言った領域のスタートアップさんにはぜひ応募いただければ嬉しいです。

また、スタートアップの製品開発を支援をしたいという二つの目のテーマでは、アビストはBtoBの企業向けの仕事しかしていないので、BtoCのサービスをやりたいスタートアップと協業できれば、BtoCのノウハウをアビストに貯めることも期待できるのではないかと思っています。

三次元というキーワードでCrewwに登録しているスタートアップを見ているんですが、写真を撮ったら三次元のデータが作れ、それでアバターを作ったり、というサービスをやろうとしているスタートアップさんがありました。そういうところともぜひコラボしてみたいです。その他にも、3Dプリンターを活用して何か新規事業を生み出せたらいいなと思ってます。

Crewwへの期待とは

ーCrewwに期待することはどのようなところでしょうか? 

金井:Crewwさんに期待することは私たちはオープンイノベーションのプログラムを行うのが初めてなので、最初にオンボードミーティングで、気をつけるポイントや一次選考、二次選考、プレゼンなどの各フェーズにおいてミーティングを実施しフォローしてもらえるので、その点が期待する点です。何もかもが初めてなので各フェーズで助けてもらいたいです。

生まれてくるイノベーションに期待

ーアクセラレータープログラムを実施するに当たっての社内の声や期待はどのようなものがあるでしょうか?

金井:今までやってきてない取り組みなので、既存ビジネスでAIと言った新規事業をいろいろやってるものの、オープンイノベーションで生まれた協業アイデアが既存事業にどう関わってくるのか、という点での期待があります。

どんな協業が生まれるのか、今はあまり想像できてない人が多い部分もありますが、期待は感じています。そして事業部内での期待に関して言いますと、非常に高いと思います。スタートアップさんと話す機会もなかなかないので、その点に対する期待もありますし、どんなイノベーションアイデアが出てくるのかという楽しみもあるという期待感を感じています。

テクノロジー企業として飛躍したい

ー今後の展望についてお聞かせください。

金井:自動車業界の変化についていくだけではなく、そこからさらに飛躍して自動車以外の業界対しても色々なテクノロジーや技術を提供する企業になりたいと思っています。

今の自動車に特化した事業をさらに色んな業界に広げ、アビストもテクノロジーの企業としてそれをさらに飛躍していきたいです。

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PORT編集部https://port.creww.me/
PORT by Crewwは、Creww株式会社が運営する、社会課題をテーマに、新規ビジネス創出を目指すスタートアップ、起業家、復業家、 企業をつなぐ挑戦者のためのオープンイノベーションメディアです。
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