に話を聞いた。
※この記事は、2015年12月14日、creww magagineにて公開された記事を転載しています。
独自開発した言語解析技術で不満データを活用
― 不満買取センターは、社名もコンセプトもとにかくユニークですね
社名の通り、個人の方からどんな不満でも買い取っています。これを専門でやっている企業は世界で弊社だけではないでしょうか。おかげで今も月に2~3回はテレビなどから取材をいただいています。
不満内容は主に商品やサービス、施設などに関するものを対象としていますが、なかには「毎日ダンナの帰りが遅い!」なんていう個人的な内容も寄せられます。
たとえ、個人の人間関係に関する不満であっても基本的には買い取っています。不満があったらまず弊社に投稿してもらう、という習慣にしていただきたいとの思いがあるためです。
― どんな方が不満を投稿しているのですか
今年3月18日に不満を投稿できるアプリの提供を始めたのですが、8カ月ほどで累計会員数が25万人を超えました。特に多いのは主婦の方です。そのため、化粧品や美容関連の不満に関しては高く買い取っています。また、商品やサービス名、状況など具体的な内容が書かれた不満はポイントが高くなります。
買い取りは「ポイント」で行っていて、1ポイントでAmazonギフト券1円分となり、500ポイント以上貯まると交換ができます。
不満の内容にもよりますが、1つの不満投稿で最大10ポイントで買い取っています。現在は最大50ポイントまで買い取り額を拡大するキャンペーンを行っています。

― 不満買取センターのビジネス(マネタイズ)面を教えてください
個人から買い取った不満を、法人向けにレポート提供するという形のビジネスです。現在、150万件以上の不満をデータベース化しており、独自で開発した言語解析技術により、内容の自動分類が可能です。依頼のあった企業ごとに、データサイエンティストが分析して詳細なレポートを作成しています。
多くの消費者は普段は声をあげません。そのため、企業側からは消費者が何を考えているのか見えづらいものですが、不満データを使えばそれを可視化できる、という点で評価をいただいています。消費者の本音に迫る生の声は、集めやすそうに見えて集めづらいものです。
弊社には毎月大量の不満データが集まってきますので、今後は業界ごとの不満ランキングなども発表していきたいですね。シンクタンク的な存在になろうとも考えています。
ビジネス向け以外にも、不満ビッグデータを使うことで、「福山雅治の結婚発表後、『結婚相手が不満』の声が約1割」や「『夫への不満』、過去半年間一番多かった不満は、 『家事を手伝ってくれない』の声が約2割」といった調査結果も既に発表しています。
long vowel mark (usually only used in katakana)Crewwに参加したのはどんなきっかけでしたか
以前からCrewwの存在は知っていましたが、社内からコラボレーションに参加したいとの声が上がってきたことがきっかけです。主に弊社CTO(最高技術責任者)の中島正成が中心となって取り組んでいる最中です。
弊社の不満ビッグデータや自然言語解析を活用していただけるコラボ先を探しているのですが、ありがたいことに関心を持っていただける大手企業は非常に多いですね。特に言語解析という面に価値を見出していただいています。
今日もちょうど、これからプレゼンテーションに参加させていただくところだったりします。

― Crewwを使うことで、どんなシナジーがありましたか?
プレゼンテーション時は、先方企業から有益なフィードバックをいただけるのは大変ありがたいと感じています。この先、実際に大手企業とコラボをさせていただき、不満データを使った商品やサービス改善の成功実績を作るのが大きな目標です。
そのためにも、われわれも単なる不満データを提供するという提案ではなく、先方企業のために何ができるのかを提示しなければならないと強く感じているところです。
― 不満データを使ってサービスや商品の改善に成功した事例を作るために、どんな企業とのコラボを考えていますか
今、Crewwを通じてお話が進んでいるのは、リサーチの新しい手法を共に生み出そうというコラボです。不満データは不特定多数の中における生の声ですので、調査側のバイアスがかかったり、恣意的になったりする心配がありません。覆面調査との組み合わせや、本調査前のプレ調査に使っていただくなど、さまざまな活用が可能です。
女性が投稿する不満データが多いため、化粧品やキッチン用品、食料品などを扱う企業の方とコラボができれば、と期待しているところです。
―Crewwに参加しているスタートアップへ、コラボを成功させるためのアドバイスをお願いいたします
大手企業の課題に合わせた提案を行うのは当然なのですが、スタートアップの場合、あまりに合わせすぎて自社の目標を見失ってもいけませんので、そのあたりのバランス感覚が大切なのではないでしょうか。
Crewwに参加している大手企業は課題意識が明確で、熱量が高いというイメージがありますので、弊社としても期待を持ってコラボの取り組みを行っていきたいと思います。
― ありがとうございました
※写真の鈴木社長が手にしているのは同社キャラクターの「ふーまん」です
取材先 : 不満買取センター http://fumankaitori.com

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