地方は観光との関連が深い都市が多く、今後自社の経営戦略を見直す企業が増えることが予想されます。すでに社内でデジタル化や新規事業創出を任されている方もいるでしょう。
地方で新規事業を成功させるにはいくつかポイントがあり、その中でも特に重要なのがオープンイノベーションの活用です。ポストコロナ時代にますます重要性を増すオープンイノベーションの役割をこの記事では詳しく紹介します。
・鍵を握るのはオープンイノベーション
・地方のオープンイノベーション事例
・ポストコロナはオープンイノベーションが鍵
地方で新規事業を成功させるポイント

民間企業も自治体もせっかく地方で新規事業を立ち上げたのに失敗してしまうケースがあります。そこで、地方で新規事業を成功させるポイントは以下4点です。
地域の独自性を活かす
新規事業の成否を見極める基準のひとつとして、「独自性が明確であるか」という点がしばしば挙げられます。そこで地方で新規事業を立ち上げるのであれば、地域ならではの独自性に注目することが大切です。
ただし、地方自治体のケースですが、まちビジネス事業家の木下斉氏は”「ありえない地域の独自性」や、「実現不可能な新規性を踏まえた内容」”を計画してしまうと、”採択後、実行の段階では自分たちの首を絞める”ことになると述べています。
出典:東洋経済ONLINE「地方活性化の新規事業が大失敗する3つの要因」
新規事業にはインパクトも欠かせませんが、専門家のノウハウも活用しつつあくまで実現可能な範囲で独自性を見出すようにしてください。
人材確保
地方では、プロフェッショナル人材の不足が課題といわれます。内閣府の定義では、プロフェッショナル人材は「新たな商品・サービスの開発、その販路の開拓や、個々のサービスの生産性向上などの取組を通じて、企業の成長戦略を具現化していく人材」のことです。
ここでは、人材確保手段として4点に注目します。
政府の取り組み
政府は地域活性化には各地域での新たな質の高い雇用を創出することが重要ととらえ、2016年よりプロフェッショナル人材戦略事業を開始しました。プロフェッショナル人材を求めている場合、全国の各地に存在するプロフェッショナル人材戦略拠点に相談可能It is.
相談時には、充分なヒアリングがおこなわれた上で人材ビジネス事業者に取り次ぎ、該当する人材が紹介されます。
クラウドソーシングの活用
近年、クラウドソーシングを活用する企業が増えています。クラウドソーシングは、ネットを通じて世界中の人たちに仕事を発注できるようになる点がメリットです。
そのため、地方に拠点をおく企業であっても、人材面で地理的ハンディキャップを解消することができます。
スタートアップとの協業
スタートアップには、まだ有名でなくても独自の技術を有している企業が多いです。特にDX推進関連で人材に困っている場合には、スタートアップとの協業も重要です。
スタートアップスタジオの活用
スタートアップスタジオは起業家がエンジニアなど各方面のプロフェッショナルと協力してスタートアップや新規事業を作り続ける場です。スタートアップスタジオを活用することで、リソースが不足していても新規事業を体験The following is a list of the most common types of products that can be used in the market.
自治体との協力関係を構築
地域活性化につながる新規事業を立ち上げるのであれば、自治体の連携が欠かせません。ふるさと納税をはじめ、自治体は様々な業務を民間に委託しているため、自治体の業務受託を狙うのもひとつの方法です。公共団体と仕事をすることで、回収の懸念がない点や自社の信用力を高めることができる点など様々なメリットが見込めます。
なお、地元のスタートアップが地方自治体の実証実験に協力しているケースも多いです。
オープンイノベーション支援サービスを活用
しかし、地元のスタートアップとどこで接点をもてば良いかわからない方も多いはずです。そこで企業とスタートアップが出会い、 共創で「事業開発」をおこなうことが可能なプラットフォーム、オープンイノベーション支援サービスを活用してください。
オープンイノベーションについては次でもう少し詳しく解説します。
鍵を握るのはオープンイノベーション

先程紹介したことをまとめると、新規事業の成功には「ノウハウ」「人材」「自治体やスタートアップとの接点」が必要になります。それらを一度に手に入れる方法がオープンイノベーションの活用It is.
地方の課題を解決できる
What is open innovation?外部からノウハウや技術を募集、集結して革新的なビジネスモデルを開発すること。外部のリソースを活用することができるため、少子高齢化・過疎化に伴う人材不足という地方の課題も解決できます。
ポストコロナで重要性が増す
新型コロナウィルスの流行とともに、テレワークという新しい働き方が浸透するようになりました。また、デリバリーやIT関連など急速に需要が増えた分野も多いです。
社会の急激な変化に対応するため、デジタル部門などの対応を進める必要があります。しかし、自社内だけでは対応できないことも多いのではないでしょうか。そこで、外部の力を活用したオープンイノベーションの重要性が今後さらに高まるはずです。
地方のオープンイノベーション事例

実際に地方で進められているオープンイノベーションとして、以下の事例があります。
札幌市IoTイノベーション推進コンソーシアム
2016年、札幌の強みを活かして先端技術を活用した新たなビジネスを創出するために産官学で設立されました。コンソーシアム内で様々なオープンイノベーションが進められており、世界で初めてリアルタイムの都市型フルデマンド公共交通運行に成功した「SAVS」もそのひとつです。
▶︎詳しくはこちら https://www.city.sapporo.jp/keizai/top/topics/it/iotlab.html
滋賀SDGs×イノベーションハブ(2021年3月で事業終了)
滋賀県と経済界が協力する官民連携の組織で、課題解決型新ビジネスをサポートするために2018年に創設されました。企業・大学・行政やSDGsをビジネスにつなげるアイディアを持つ個人をつなげる役割があります。
▶︎詳しくはこちら https://impactlab.jp/shigahub-booklet
ポストコロナはオープンイノベーションが鍵

ポストコロナ時代に新規事業を成功させるためには、「地域の独自性に注目する"地域課題を解決する"デジタル化による生産性向上」が基盤となってきます。オープンイノベーションを活用することにより、外部の技術力やアイデア力、人材の力を自社の経営資源に掛け合わせることができるので、より新規事業を加速することができます。
地方企業で新規事業立ち上げを任されている方は、オープンイノベーションの活用を検討してみてはいかがでしょうか。
