12.8 c
Japan
Friday, December 1, 2023

Intrepreneur Life] Create 100 new businesses. New value to the world with a weed spirit.

【【Another life.タイアップ特集】大企業にいながら、新しい事業を生み出し多くの子会社の取締役に就任している河合さん。仕込み中のものも含めると携わっているプロジェクトは100個近くになります。ハイペースで次々と新しい事業を生み出す背景には何があるのか、お話を伺いました。

バスケから学んだ社会人の姿

東京都杉並区で生まれました。幼い頃から活発で体を動かすのが好きで、小学生の時はサッカー、中学生になるとバスケットボールに夢中になり、朝から晩まで毎日練習していました。

部活中心の生活だったので、勉強に割く時間はなく、成績は全然良くありませんでした。私の成績の悪さを見兼ねた父から、大学の付属高校を受けることを勧められ、受験。このままでは大学に進学できなくなってしまうことを懸念しての判断でした。受験者数が少なかったことも手伝って、合格最低点でギリギリ合格することができました。

高校進学後もバスケが中心の生活を送りました。持ち上がりで大学に入学してからも続け、サークルや地域のチームに所属して試合にも出ていました。ポジションはガード。パスの起点となりコート全体を見ながらどの味方にパスを出すのか、どの作戦で攻めるのかを考え、ゲームメイクをする役割でした。新しい作戦を作って試すのが好きで、自分が考えた作戦がうまくハマった時は快感でしたね。

地域のチームに所属すると、社会人と同じチームになることも多く、そこで初めて世の中のサラリーマンがどんな感じなのかを学びました。特に作戦会議中の発言から議論の仕方や合意形成のやり方などを学びました。

新しいものを生み出すことへの憧れ

学生時代はバスケしかしてこなかったので、いざ就職活動となった時、何をやりたいかも、何が得意かもわからず、焦りました。私の家族は父も祖父も上場企業に勤めていたので、それなりの会社に就職しなければというプレッシャーも感じていました。だからとにかく、大手の企業ばかりを手当たり次第にエントリーしていました。

なんとか大手クリーニング会社の最終面接まで進みました。コンビニと提携してユニフォームのクリーニングを請け負うといった新しいサービスを始めたところで、それがやりたいと思ってエントリーした会社でした。採用されるに違いないと考え、他の面接を全部断りその会社一本に絞ることに。しかし、結果は不合格。すでに全部断ったあとだったので、これはやばいと思いました。

そこで改めて、いろんな会社のことを調べ始めたんです。そんな中で、なんとなく新規事業に携わりたいと考えるように。自分で0から新しいものを作ることも好きでしたし、新商品の開発に携わっていた父の仕事の話を聞いて興味を持っていた影響もありました。

また、どの業界に進むべきか、父に相談すると、物流業界がこれから面白くなるだろうと話してくれました。そこで、新しいことに自由に挑戦できるようなパイオニア精神を持っている物流会社を探しました。

調べてみると、長距離の陸運業を最初に始めた西濃運輸というパイオニア企業を見つけ、ここでなら自分も父のように何か新しいものを生み出すことができるのではないかと考えました。そこでエントリーし、パイオニア的な部分に惹かれたと面接で説明すると内定をもらうことができました。

就活で苦戦していただけに、合格後は、「こんな自分を拾ってもらって」と会社への感謝の気持ちでいっぱいでした。この恩を返すために、とりあえず文句は言わず20年は真面目に働いてちゃんと会社に貢献しようと決意して、入社しました。

雑草魂で管理職に

西濃運輸は本社がある岐阜県に根ざした企業で、地元の出身者がほとんど。さらに地元の名家の出身も多かったです。自分とは違って、育ちがよく、真面目で勤勉そうな同期たちの姿を見て、負けてたまるかという雑草魂のような気持ちがふつふつと湧いてきて、最初に昇進してやろうと思うようになりました。

最初に任された仕事はトラックドライバー。まずは誰よりも多く、荷物を運ぼうと考え、昼休みに休憩している先輩のところに行って「僕行きますからご飯食べててください」と荷物を引き受け、運んだりしていました。食べる間も寝る間も惜しんで働きましたね。

2年目で本社の監査課に異動になり、60歳近い上司と全国の支店をまわる仕事をすることに。監査課とは各支店の改善点などを指摘する部署で、400くらいある支店のほとんどを3、4年で回りました。

25歳のとき、今度は会社のサービスの品質を保証するための国際規格の取得を任されることに。
もともと20数人の幹部で取り組んでいたのですが、うまくいかず頓挫したプロジェクトでした。そのプロジェクトを僕ともうひとりの同期と2人で任されることになり、そこからはほぼ徹夜の毎日でした。努力の甲斐あって、半年で認証をとることができ、そこからはうまくいかなかったプロジェクトの立て直しなどを任されるようになりました。

いろいろなプロジェクトを任され、結果を出したことが認められ、32歳のとき本社の管理職に就任しました。同期に負けないようにと頑張ってきた努力が報われたのですが、大した達成感はなく、そもそも比べていたこと自体が間違っていたなという気持ちになりました。自分と彼らは全く違う人間で、僕は僕なりにやればいいやと思えるようになったんです。

水たまりを100個作る

管理職になり部下の仕事を見るようになると、自分が現場に行くことがあまりなくなり、お客さんが見えなくなりました。それが嫌で、出張を無理やりたくさん入れて現場を見に行くようになりました。また、自分が就活のとき抱いていた新規事業をやりたい気持ちを思い出し、何をしたいのか改めて考えるようになりました。

そんな時、亡くなった祖父のことを思い出しました。祖父は亡くなる10年ほど前に、自転車で買い物に行った帰りに転んで骨折し足を悪くしてしまい、それまで活動的だったのに寝たきりになっていました。もし、誰かが代わりに買い物に行ってくれるサービスがあれば、事故を未然に防げ、祖父も最後まで自分の足でいろんなことができたかもしれない。そんな風に考え、買い物代行サービスを始めようと決めました。

管理職としての業務のかたわら、新サービス立ち上げのため動いていると、尊敬していた副社長から「新しいことをやりたいなら、まず水たまりを100個作れ」と言われました。いきなり大儲けできる「池」を狙うのではなく、まずは小規模な「水たまり」を100個作る気持ちで新しい事業を考えろという意味でした。そこで水たまりの1個目として、買い物弱者を手伝う会社「ココネット」を作りました。

新規事業を立ち上げてみてわかったのは、自分一人で水たまりを100個作るのは無理だということでした。ココネットがサービスを開始した当初、ずっと赤字で、黒字化するのに2年もかかり、すごく大変だったからです。

そこで、他にも同じ志を持ち、一緒に新しい事業を考え、創る仲間が必要だと感じ始めました。最初は、自分がやっている姿を見せれば誰かが続いてくるだろうと思っていましたが、過酷な働き方だったことがあり、後に続く人はいませんでした。

そこで、新規事業を生み出すことを仕組み化し、そのための新しい部署を創る必要があると考え、オープンイノベーション推進室を作りました。メンバーや新規事業のプランは社内公募で集め、提案されたビジネスプランは半年程度で事業として独立させるか、グループ内の事業会社で事業化することを目標にしました。

そんな厳しい条件にも関わらず、推進室を作ってから多くの事業が立ち上がり、その中のいくつかは新規事業や子会社として独立しました。名目的に私が社長を務めている会社もありますが、実質的な経営は推進室のメンバーが行なっています。

新しいことをする仲間を作る

現在は、ココネットに加え多数の会社の役員や取締役をやりながら、オープンイノベーション推進室室長として新規事業の立ち上げを行なっています。特に、オープンイノベーション推進室のメンバーの育成には力を入れていて、成長させるための仕事のフローなど考えて設計しています。

また、陸運業界では初めての試みであるCreww株式会社が提供するアクセラレータープログラムへの参加もはじめました。このプログラムは、新規事業を始めたいと考えている大企業が、様々なスタートアップやベンチャー企業からアイデアを募集し、協業をベースにそれを立ち上げようというもの。お互いの強みや資産を駆使し、世の中に新たなイノベーションを起こそうという取り組みです。

実際にこのプログラムを利用した新規事業作りにも着手しています。例えば、自社倉庫の2階部分を野菜工場として利用する事業。2階で作った野菜をエレベーターで1階に下ろせばそのままトラックに積んで全国に配送することができる、農業と物流を融合させた事業です。

今後も、水たまり100個に向けて新規事業を作り続けたいです。ちょうど今抱えているプロジェクトが100個くらいあります。それらに優先順位をつけたくはないので、全部同時に進めて、一つでも多く新しいサービスとしてリリースできればいいなと思っています。そのためにも、部下の育成に注力したり、社内外ともに協力者を増やしたりして、新規事業が生まれる環境を作っていきたいです。

another life.制作 作成日:2018年12月13日

interviewee
河合 秀治 氏 西濃運輸
オープンイノベーション推進室室長
専修大学卒業後、1997年に西濃運輸に入社。豊川支店、本社監査室業務監査課、関目支店、東京支店を経て本社で行動変革プロジェクト、内部統制プロジェクトなどに携わる。2016年からセイノーホールディングス株式会社オープンイノベーション推進室長。現在、ココネット株式会社取締役社長、GENie株式会社代表取締役なども務める。
Facebook Comments
PORT Editorial Officehttps://port.creww.me/
PORT by Creww is an open innovation media for startups, entrepreneurs, entrepreneurs in recovery, and companies seeking to create new businesses on the theme of social issues, operated by Creww Co.

Featured

Ando Hazama x Cube Earth] Innovating the world's urban OS with patented technology from Japan and the U.S.

Creww Growth Case Study Interview】Ando Hazama has selected Cube Earth, a startup company offering a "smart disaster prevention system" to local governments through the "Ando Hazama New Business Co-Creation Program 2022," an accelerator program for fiscal year 2022, utilizing Cube Earth, a geographic information system platform patented in the United States and Japan. Cube Earth, a startup company that provides municipalities with a "smart disaster prevention system" using the geographic information system platform "Cube Earth" patented in the U.S. and Japan, was selected for the Ando Hazama New Business Co-Creation Program 2022. The startup is developing next-generation social infrastructure infrastructure such as disaster prevention systems, smart cities, drones, and digital twin systems as part of the DX approach to municipal crisis management. What specific initiatives are they pursuing? We interviewed Hiroyuki Horii, Deputy General Manager of the Innovation Department, Corporate Strategy Division, Ando Hazama, Shigehiko Amo, Chairman of Cube Earth, and Zenshi Takeda, President and Representative Director.

Sanki Kogyo × Startups] Become a company that continues to be chosen|New Steps in Co-Creation with Startups

Sanki Kogyo Corporation, which will celebrate its 100th anniversary in 2025, has set its sights on becoming a company that will "continue to be chosen" in accordance with its vision for 2050, and is working to strengthen its core businesses and enhance the Sanki brand. One of our new initiatives is to strengthen our core business and improve the Sankiki brand. Therefore, as one of the new initiatives, we are challenging the "SANKI Open Innovation Program 2023". We interviewed Mr. Hiroyuki Sasaki, Facility Systems Business Department, Mr. Tadashi Ishiwata, Corporate Planning Department, Corporate Planning Office, and Mr. Naoya Tokuda, Corporate Planning Department, who are challenging the accelerator program for the first time, about their frank thoughts from their respective standpoints.

Ando Hazama × Air Digital × Kuki City] Tackling the challenge of extending healthy life expectancy through digital sports!

Ando Hazama, a general construction company that promotes the creation of new businesses through open innovation, has selected Air Digital Inc. Air Digital, Inc., a company involved in the development of digital sports space and the operation of digital sports fields, was selected for the program. Subsequently, Ando Hazama, Air Digital, and Kuki City, Saitama Prefecture, signed a collaboration agreement and are now working together on "Sports 60 & Smart," one of the largest digital sports clubs in Japan, which is located in the "Ario Washinomiya" shopping mall facility in Kuki City. What specific initiatives are being undertaken? We interviewed Tsubasa Sakakibara, Manager of the Innovation Department of Ando Hazama's Corporate Strategy Division, Sobaku Maeda, Representative Director of Air Digital, and Takeshi Kanazawa, a member of the Sports Promotion Section of the Health and Sports Department of the Kuki City Office.

Startup Recruitment] Caring for Community Health|Future Aisei Pharmacy with Roots in the Community through New Business

Aisei Pharmacy has more than 400 dispensing pharmacies nationwide. As the company will soon celebrate its 40th anniversary, we are challenging the accelerator program in search of the next pillar of our business! Aiming to become a pharmacy that is needed by local residents, the company will explore the possibility of creating new businesses. In this interview, we spoke with Hiroyuki Hori, General Manager of the Business Planning Department of Aisei Pharmacy Inc. about why Aisei Pharmacy is now taking on the challenge of open innovation with startups.
Facebook Comments
en_USEN