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本プログラムの趣旨説明(浜松市)
スピーカー:浜松市 スタートアップ推進担当部長 加藤路子

「浜松アクセラレーター2022」は、地域企業の技術とスタートアップの革新的なアイデアを融合させ、地域の新しい産業の創出や経済の発展を目指すものです。地域企業から挙げられた課題に対して、全国のスタートアップから提案を募るという内容で、今年で3回目の開催となっております。
事業化に向けて、市役所もしっかりとサポートをさせていただきます。
昨年度の成果報告会では、「社のビジョンを改めて考えるきっかけになった」「課題が明確になった」「社内の変革意識が刺激された」といった意見をいただきました。
本日も、地域企業の皆さまの生のお声を聞けることを、非常に楽しみにしております。
浜松アクセラレーター2022の事業スキームについて
スピーカー:Creww株式会社 田中健策

本プログラム「浜松アクセラレーター2022」は、浜松市内企業の経営資源と、全国のスタートアップのアイデアやサービスを結び付けるオープンイノベーションにより、各社の新規事業の創出を目指す取り組みです。
Also,両社の協業の可能性を最大化させるために、ただマッチングさせるのではなく、段階的に選考を重ねるプログラム形式を採用しています。浜松市内の企業を募集し、選定する第一フェーズから、スタートアップとのマッチングを経て、共同開発プロジェクトに取り組む現在まで、3つのフェーズに分かれており、83社のエントリーの内、5件の協業案が共同開発に進んでいます。
本日は、共同開発プロジェクトにおける実証実験内容について、それぞれの企業様より、途中報告がございますので、楽しみにしていただければと思います。
過年度参加企業「ヤマハ株式会社×ワンライフ協業進捗」

スピーカー:ヤマハ株式会社 研究開発統括部 第2研究開発部主幹 谷高幸司
ヤマハ株式会社が今回プログラムに参加した目的は、ヒューマンインターフェイスという研究領域にて開発したユニークなセンサ技術の応用分野を、音楽事業に限らず、広く模索I wanted to do this.
「障がい者eスポーツ環境の充実」というテーマに向けて、スタートアップとのイノベーションによって技術を鍛えることを目的に、株式会社ワンライフ様との協業に挑んでいます。伸縮センサーの技術を活用し「軽くて、伸びる」これまでには存在しなかった操作子を、共に創っています。
障がいを持つ方々にとって、既存のコントローラーではセッティングや調整が困難であるという課題があり、実証実験は簡単な道のりではありませんでしたが、被験者様にヒアリングを重ね、保有技術を駆使しながら、改良を重ねた結果、実際にゲームをプレイできる装具を開発できました。
現在は、対象の被験者を5名に増やし、多様性のある世界の実現に向けて、障がいを持つ方が諦める経験を0にすることを目標に、実証実験を継続しているところです。
OM ソーラー株式会社×ユニロボットの協業成果報告

スピーカー:OMソーラー株式会社カスタマーソリューション部課長 楠崇史
OMソーラー株式会社は、環境と共生する地球建築の創造と普及を通じて持続可能な社会づくりに貢献することを企業理念に、日本の住環境を豊かにすることをビジョンとして掲げています。
主な事業は、OMソーラーシステムの販売や自然エネルギーを活用した建築技術の開発・販売、地域工務店のボランタリーチェーンの運営です。研究開発を行いながら、700棟の施設や3万棟以上の住宅にシステムを導入しています。本プログラム参加の目的は、HEMSから得られたデータを活用した住まい手向けの新たなサービスや、システムを利用する工務店に向けての更なるサービスを創出することIt was.
採択させていただいたユニロボット株式会社様と、AI電話を活用した24時間対応の問い合わせ窓口サービス提供に向けて、協業を進めております。
現在は、まずは社内にて実証実験を行っている段階です。ユーザーにいつでも繋がる安心を提供し、 直接対応をする工務店の業務の手助けにもなる商品として、最終的には全国の工務店への販売を予定しています。
株式会社システックとGuideRoboticsとの協業成果報告

スピーカー:株式会社システック PLDソリューション部 部長 西尾剛
株式会社システックは、 DX・ AI・ IoT といった技術で人手不足が課題である社会インフラ保全の省力・少人化を目指し、本プログラムに参加しました。採択した協業案は、「非GNSS 環境下での高精度位置測位システム」です。
協業パートナーであるガイドロボティクスの保有するVisual-SLAM技術は、カメラを利用して自分の現在の位置を知るもので、センチメートル単位で、精度高く、リアルタイムに動線・位置を可視
化し、デジタル化することが可能です 。
本協業は、喫緊の課題であったGPSが使えない高速道路のトンネル内の保守点検業務において、高精度な位置測位を可能にしました。互いの既存技術を活かし、タグマーカーの設置・ステレオカメラによる撮影を組み合わせたことで、スピーディーに実現したと感じています。高速道路のトンネル内で行われた実証実験も問題なく成果をあげました。将来的には、車両運用プラットフォーム化を目指す上で、高速道路に限らず電車などでも重要な役割を果たすと期待しています。
株式会社ミダックホールディングス×pilandの協業成果報告

スピーカー:株式会社ミダックホールディングス 事業管理グループ 中村真悠子
ミダックホールディングスが、浜松アクセラレータープログラム2022に参加した理由は、循環社会への移行とIT革命による業務効率の向上に対処するために、スタートアップ企業とのワクワクするような協業を模索し、廃棄物処理を通じて新たな循環型社会システムを構築することを目的としたからです。
協業内容は、「オープンデータを活用した災害廃棄物発生予測による『災害に強いまちづくり』への貢献」です。
AI開発、ビックデータ解析事業等を手掛ける株式会社pilandの地域に合わせた多様な情報処理技術と、ミダックホールディングスの保有する廃棄物処理業者としての知見を活かし、より実効性の高い災害廃棄物処理計画の策定を目指しました。
災害ごとにケース分けされた災害廃棄物の発生量を推定し、地図上で可視化。もしもの発災時には、実際の災害情報を掛け合わせ、仮置き場の災害廃棄物集積を最適化します。今後も、両社で情報交
換を重ね、災害に強いまちづくりに貢献できるシステム構築に取り組んでまいります。
やまと興業株式会社×Blue Farmの協業成果報告

スピーカー:やまと興業株式会社 商品部 次長 山下大道
やまと興業株式会社は、二輪四輪部品の製造事業を行っています。ブルーファーム株式会社と「山間地茶園と粉末科学技術を活用したサステナブル緑茶事業」に向けた協業に取り組んでいます。
ブルーファームは、有機茶葉を生産し、カーボンオフセットをつけた製品を開発しています。やまと興業は、もともと緑茶事業も手掛けており、減少する国内の緑茶生産量に反し増加傾向にある海外への進出を目指せる点にも注目しました。海外に進出するためには、有機JAS認証や農薬規制などがハードルになりますが、ブルーファームは有機JAS認証を取得した茶葉であり無農薬栽培を使用しているため、様々な国への輸出を目指すことが可能です。
やまと興業の微粉末技術・生産管理と掛け合わせることで、さらに安心安全で、付加価値の高いサステナブルな粉末茶を製造することが可能です。実際に、試験に提出した粉末茶は農薬が全く検出されませんでした。今後は、販売先それぞれの国の好みや市場に合わせた製品開発をしていきます。
株式会社東芝によるオープンイノベーション取組事例の紹介

スピーカー:株式会社東芝CPSxデザイン部cps戦略室エキスパート 相澤宏行
東芝は、売って終わりのビジネスではなく、お客様のデータを蓄積し、分析して、新たな価値を提供するまでのビジネスに転じようとしています。それを、次の会社の成長の柱として「CPS(サイバーフィジカルシステム)」と呼びます。そのためには、オープンイノベーションという手法が必要です。なぜなら、東芝は、技術力が高く、物を作ることに優れている企業である一方、自社の能力だけで新しいビジネスを展開させることに課題があるからです。業界のトレンドに果敢にチャレンジするスタートアップとの協業では、自社だけでは届かなかった領域に踏み込むことcan be done.
オープンイノベーションの取り組みは、マッチングプラットフォームを活用する方法と公募形式のマッチングにより行っています。その際、社内の各事業担当者を集めてTOICというチームを組み、情報共有や協力体制の構築をします。また、互いの事業貢献につながる取り組みを意識しています。公募プログラムの最後には、東芝の各グループ会社経営陣へ向けた、プロジェクト紹介の場面を設け、イノベーションを推進しやすい風土を社内に醸成しています。
新しいことを始めるには、世の中に分散している知識を集める必要があり、それはオープンイノベーションでなければ実現できないことです。そして社外共創においては、何よりもまず、人と人との信頼関係が大事だと思っています。
