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Wednesday, November 29, 2023

【三井住友カード ×ストーリーアンドカンパニー】ミライブックが生み出す、感動で溢れる未来

体験シェアリングサービスを展開するストーリーアンドカンパニーと、主にカード決済事業を展開する三井住友カード。全く領域の異なる両社がcrewwコラボを経てタッグを組み、感動を生み出す新サービスを創り出した。その名も「ミライブック」。“人がいつか叶えたいと夢見るミライの実現をサポートする”という画期的な取り組みを通じ、「世の中に感動を与えたい」と西條氏と細川氏は話す。そんな世の中を感動で包むであろうキャンペーンの展開に至った軌跡について、両者に聞いた。
※この記事は、2018年7月13日、creww magagineにて公開された記事を転載しています。

―まずはSTORY & CO.の事業内容と起業のきっかけについて教えてください。
細川拓(以下、細川):弊社は、旅の中での良い出会いが良い変化を生み、それが良い物語になっていく「出会いと変化の物語」というビジョンを掲げて2つのサービスを展開しています。“3時間の小さな旅”と銘打った体験シェアリングWEBサービス「AND STORY」。そしてもう一つは、大学内のカフェで学生と地域の人たちや旅行者が交流できる「U-CAFE」という事業をプロデュースしています。

起業のきっかけは、人の人生の変化を、より良いものしていきたいと考えたから。
大学生の頃にアパレルの会社を起業して、その後大手企業に入社して進学事業とブライダル事業に携わりました。服(おしゃれ)や進学、結婚など人の人生の節目を豊かにすることと向き合っていく中で、「人ってどういうときに変化を求めてアクションを起こすのか」と考えた時に“旅”だなと。
辛いことがあったら傷心旅行、ハッピーな新婚旅行などさまざまな旅の種類があるように、人生に何かしらの変化があると人は旅に出るんですよね。
自分自身も旅の中で「(現地で)どんな人に出会ったか」という部分から人生に良い影響を受けました。

ただ、旅先でローカルの人に出会うというのはそんなに簡単なことじゃない、ということを感じていました。日本では欧米風なコミュニケーションも少ないので交流のきっかけや場がない。交流を通じて出会いが生まれればなと思って、2つの事業を思いついたんです。
現在は設立して2年4カ月(取材時:2018年6月)ほど。2017年9月にリリース後半年たたないうちに東京メトロ様とのコラボも決まって、生まれて間もない事業にしては注目されてくるようになったかなと思います。

株式会社STORY & CO./ CEO 細川 拓氏

―次にcrewwコラボを開催した理由をお聞かせください。
西條勇紀(以下、西條):弊社の本業の柱は(カード)決済事業なのですが、中期経営計画の中で新規領域の事業にも挑戦しようという方針があって。ただ、急に新規事業をと言ってもノウハウがなく、社内で打合せを重ねながら試行錯誤を繰り返していたんです。そこにcrewwコラボの話を取引先の会社から聞いて、これも試しにとアプローチしたのが始まり。元々は自分たちだけで新規事業を立ち上げようとしていたのですが、crewwコラボを使ってまずはノウハウを集めようと模索しました。
当初はエントリーがあるのか、どういった応募が来るのかと正直不安でしたが、応募数や事業の“匂い”がするものが思っていた以上に集まったというのが率直な感想です。

―その中で一番最初にお会いしたのがSTORY & CO.?
西條:はい、一番目にお会いしましたね。
弊社に集まってきた案件は、チームメンバーがドラフトのように選んでいったんですが、STORY & CO.さんは私のドラフト一位でした。あくまで個人的な印象なのですが、スタートアップの方は尖っているイメージを勝手に抱いていて(笑)。でも、実際に細川さんにお会いしてみて、そういった印象は全くなく安心しました。むしろ、話してみると考え方も近くて、初対面ながら会話がとても盛り上がったんですよね。会社同士というよりも個人同士でインスピレーションがすごく合って、友達になれそうな気もして、その瞬間から自分の中で(協業に対して)ギアが上がったのかなと思っています。

―第一印象から意気投合されたのですね。「AND STORY」にフォーカスした理由は?
西條:新事業検討のコンセプトとして「人に感動を与えられる事業」「世の中をより便利にできる事業」大きくこの2つを掲げていました。まず、“感動”ということを考えた時に「AND STORY」の事業紹介文を見て「これだな」とピンと来たところですね。

三井住友カード株式会社/ 西條 勇紀氏

―ブラッシュアップの結果生まれたコラボの内容について教えてください。
西條:STORY & CO.さんがすでに展開している「AND STORY」のサービスをベースに、今回は逆に様々な方々から“やってみたいミライ(コト)”を募ろうと。その中から選ばれた「想い」の実現を、我々がお手伝いします。

細川:「ミライブック」というもので、簡単に言うと「あなたの夢の体験叶えます」というものですね。誰しもが持っているけれど、忘れてしまっていた「こんなことやりたかったんだよな」という体験の実現をサポートします。
ただ、「夢」と言い過ぎてしまうと「車欲しい」「家が欲しい」という自身の努力関係なく、棚ボタ的なことが多くなってしまうのではないかと思ったんです。そうではなくて、「やってみたかった!」という実際に自分が動いて掴み取る未来を叶えられるように、展開していきます。

西條:夢の応募はSNSで投稿していただき、それを叶えるホストをマッチングさせる。「AND STORY」は「体験を提供したい」というホストがいて、ゲストが予約をする。しかし今回はその逆。応募者が叶えたい未来を一緒に叶えていくというもの。実は僕自身が今更ながら独学でドラムをやり始めたんです。昔からずっとやりたいと思っていたのですが、ふとやり始めて、これが面白くて。自身の体験を通じてサービスを考えた時、自分の思いに対してトンと背中を押してくれる存在があったらもっと早く始められていたのにと。ぜひこの取り組みが、誰かの背中を押す存在になれたらなと思います。

細川:そして、細田(守)監督の最新アニメ映画「未来のミライ」とのタイアップも決まったんです!元は僕の思い付きで、子供と映画を観に行ったときに予告で見て、「未来」というキーワードが合うなと。それですぐ西條さんに電話して。僕は言う(提案する)だけで簡単なんですが、西條さんは大変でしたよね。

西條:それを連休直前に聞いて(笑)。でも、たしかに面白いタイアップになりそうだったので、ダメ元で配給会社さんに行ってみたんです。そうしたら「できそうですね」と快諾していただいて、スムーズに進みました。

―映画とのタイアップも決まり非常に楽しみな企画になってきましたね。連携はスムーズでしたか?
細川:分担というより、企画の全体を細かくラリーして作り上げてきたので全部2人で整えていきました。

西條:たしかに、役割を分けてなかったですもんね。

細川:「(両者に)こんな強みがあるから、こういう事業やろう」といった進め方ではなく、「こんなことやりたいよね」という思いがあって、お互いの強みを出し合って2人で形を整えていった。協業する際にありがちなのですが「どっちの役割か」となると、立場的にスタートアップ企業側が背負わなければならない部分が多い。だけど、西條さんはめちゃくちゃ率先してやってくれたんですよね。

西條:企画を形にしたい一心でしたから(笑)。

細川:社内採択を通した後も、西條さんは絶対目的からブレないんですよね。僕の方からしても、(三井住友カード側の)社内の都合もあるからベストではなくともベターであればいいという部分も正直あったのですが、今回は100%ベストで進めることができた。だからこそ、僕も絶対成功させたいという強い思いがありました。

ミライブックキャンペーン

―最後にcrewwコラボを通しての感想をお聞かせください。
細川:crewwコラボの良い点は、事業を始める前に高い熱量を持って進められることですね。他のアクセラレーター(プログラム)は、ピッチコンテストのような形式でスタートアップ側が事業案から計画など全部作って2、3分のスピーチで勝負、というところがある。それではここまで高い熱量持てないだろうし、この事業すらも生まれなかった。スタートアップ企業、大手企業、Creww3社が一緒になって作ってきた、この形式だからこそ生まれてきたもの。他のアクセラレーターも全部この形式だったらいいのにと思います (笑)。

西條:イノベーションを起こすには、ITリテラシーや今までの経歴よりも、如何に人生を楽しもうとしているか、また、想い持って突き進めるか、これが大事なのではないかなと感じましたね。あと、人の育成においても良いプログラムだと思いますね。日々の業務では味わえないスピード感で、プログラムに沿って限られた期間の中で経営層にプレゼンして、曖昧なモノを形にしていく作業は、社会人としての成を促し、実績になれば自信にも繋がります。そういった意味でも良いプログラムでした。

細川:新規事業の成功予測は難しいですが、間違いなく人は育ちます。よくある人事の研修プログラムとは比較にならないくらい良いんじゃないかと思いしたね。新規事業には熱意や想いが必要で、既存の業務とは違う仕事になり、会社員としてどうかではなく個人としてのスタンス、心構えが如実表れ、それが結果に繋がります。ちゃんとやりきれるかどうか、形にできるかどうか、という自ら仕事を作る人になれる、そういう人を発掘できるプログラムでもあるのではないかと感じました。

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